数回の秋雨が過ぎ去り、季節は正式に冬に入った。
夏目初美は日にちを数えていた。工藤希耀との再会の日、そして彼らが婚姻届を出して一周年となる結婚記念日がもうすぐだった。
去年のこの時期を思い出すと、彼女は完全に崩壊と絶望の中にいた。そんな時、希耀が突然現れ、まるで本物の白馬の王子様のように彼女を救ってくれたのだ。
彼と婚姻届を出した日から、初美は悲しみや苦しみ、ネガティブな気持ちになることが少なくなり、むしろ日に日に幸せで楽しい気持ちになっていった。
彼女の心の中には、あの偶然の再会に対する感謝の気持ちと、幸運だったという思いでいっぱいだった。
こんなに記念すべき日は、もちろんきちんとお祝いしなければならない。
初美はそのため、早くから準備を始め、当日に希耀に大きなサプライズを用意するつもりだった。
彼女には予感があった。希耀も当日には彼女に大きなサプライズを用意しているはずだと。
しかし、それは矛盾することではない。彼らはそれぞれがサプライズを用意し、そして二つのサプライズを合わせてさらに大きなサプライズにすることができるのだから、そうではないだろうか?
この日、初美は工藤美咲とショッピングモールを回っていた。彼女の「サプライズ」に必要なものを選ぶためだった。
美咲はこういったことに初美以上に熱心だった。
彼女は絶え間なくアドバイスを送った。「その日は、お義姉さんが花のステージを用意して、お兄さんにプロポーズするのもいいわよ。男性だってこういう儀式が好きじゃないなんて思わないで、同じように好きなのよ?それに役割逆転もできるわ。お義姉さんがスーツを着て、お兄さんにウェディングドレスを着せるの。絶対面白いわよ!」
「それとも、お兄さんのためにフィギュア専用の部屋を作って、中にいろんな限定フィギュアを置くとか?どんな男性にとっても、それは大きなサプライズになると断言できるわ」