第375章 専門的なことは専門家に任せる 目が覚めた

夏目初美は言われて、双葉学明の非を責めることができなかった。

結局、姪も甥の娘も同じなのだから、叔父は彼女だけに優しくして、双葉蘭や小栗涵子に優しくしてはいけないというのだろうか?

叔母の言い分によれば、叔父は確かに耳が柔らかすぎるようだが。

初美はただ言った。「蘭さんと涵子さんはよくそんな厚かましいことができるわね。もう二十歳を過ぎた大人なのに、両親も健在で、家計も苦しくないのに。一体どんな面の皮をしているの?叔母さん、彼女たちと同じレベルで争わないで。後で私から叔父さんにも諭しておくわ」

林田愛子は冷ややかに鼻を鳴らした。「彼女たちが恥ずかしいなんて思うわけないでしょ。お金や利益が手に入るなら、面子なんて何の価値もないわ。しかも両親と共謀して、一人が悪役を演じれば、もう一人は無実を装う。彼女たちは何も知らないふりをする。結局、利益は得るし、叔父さんの前では相変わらず良い子のままでいられる。計算高いったらありゃしない!」

そう言って一息ついた。「私はお金が惜しいわけじゃないのよ。その程度のお金なんて大したことないわ。でもこれじゃ彼女たちに簡単だと思わせてしまい、自立しようとしなくなる。長い目で見れば、感謝の気持ちも持たなくなり、当然のことだと思うようになるだけよ」

「今回がまさにいい例でしょう。彼女たち、特にあの二人に少しでも感謝の気持ちがあると思う?叔父さんのことを思うと心が痛むわ!」

初美は唇を噛んだ。「確かに彼女たちはやり過ぎよね。それでも、きっと叔父さんが私に肩入れしていると思っているんでしょうね。叔母さんと俊哉さんもね。それに蘭さんの彼氏、叔父さんの紹介じゃなかった?涵子さんの仕事も叔父さんが世話したものでしょう?もし何か問題が起きたら、彼女たちはきっと叔父さんを責めるわ」

「俊哉さんが昨日言ってたじゃない、怒らせたら、すでに食べたものでも吐き出させるって。この機会に本当に吐き出させて、彼女たちが追い詰められたところで手を差し伸べれば、きっと大切にするようになるわ」