第77章 橋本燃は松本晴子を拘留させることを主張する

「燃、すべておばさんの過ちよ。おばさんが晴子をきちんと教育できなかったの。どうか、おばさんに罪を償う機会をください。今回だけ晴子を追及しないでくれたら、何でも言うことを聞くわ、何でもあなたの言う通りにするわ」

田中雪満は橋本燃の前にひざまずき、懇願するような声で言った。「燃、おばさんお願い、どうか晴子を一度だけ許して」

「燃、おばあちゃんにも非があるわ。おばあちゃんが子供に期待しすぎて、あなたに厳しく接しすぎたから、あなたの反抗で争いになってしまった。おばあちゃんはもうあなたを怒らせないから、おばあちゃんの顔を立てて、お姉さんを今回だけ許してあげて!」松本老夫人も低姿勢で和解を求めた。

「まず平手打ちをしてから飴をくれるという二人羽織の芝居は見事ですね、とても見事だ。でも私の言葉は変わらない。和解なんてあり得ない、永遠にあり得ない。松本晴子たちは必ず相応の罰を受けなければならない」橋本燃は松本老夫人を見つめ、力強い声で一歩も譲らなかった。

「おばあちゃん、お母さん、今回は私が心を迷わせて大きな過ちを犯したの。燃が和解しないのは当然よ。私は犯した過ちに対して当然の罰を受けるべきだわ。どうか私のせいで燃と仲を悪くしないで。私のために燃を訴えないでください」松本晴子は涙を流し、悲しみと自責の念で言った。

「どちらも大切な子供たち。私も燃を傷つけたくはないわ。あなたたちは姉妹なのだから、和解してほしいだけ。そうすれば大事を小事に、小事を無に出来るのに。燃、どうしておばあちゃんの気持ちを汲んでくれないの?」松本老夫人は痛ましげな目で尋ねた。

「同じ話を繰り返すつもりはありません。私を訴えるなら立件すればいい。訴えないなら、私は先に行きます」橋本燃はいらだった声で言った。

「おばあちゃん、お母さん、弟、早く帰って。さっき警察官に聞いたけど、私たちは半月拘留されるだけだから、心配しないで!」松本晴子は涙を拭き、無理に優しい笑顔を作った。

松本晴子の強がった様子を見て、温井時雄の目はますます深く沈んでいった。

「橋本燃、ちょっとした過ちにこだわって容赦しないのはやめろ。お前が彼らを傷つけても、彼らはお前を許している。晴子はただ家族のために少しからかっただけだ。なぜお前は彼女と和解できないんだ?」温井時雄は冷たい目で橋本燃を見つめ、厳しく問いただした。