「誰が価値がないなんて言ったの?こんなに精巧で美しい琥珀、まるで本物の龍が飛んでいるようで、いくらお金を積んでも買えないわ。こんな心のこもった贈り物をありがとう」橋本燃は笑顔でプレゼントを受け取り、首にかけると、沢田慕人を見つめて言った。「似合う?」
「似合うよ、君は何をつけても似合う!」沢田慕人は優しい声で言った。
偽善者!
温井時雄は心の中で冷ややかに笑った!
沢田慕人の返答が偽善的だと感じたものの、琥珀のペンダントと橋本燃の白いカジュアルニットワンピースの組み合わせは、確かに美しかった。
松本晴子という妹は本当に器用な手を持っていて、みんなに琥珀のプレゼントをしたが、それぞれが目を引くものだった。
「燃、明日は慕人と結婚するのね。私と時雄からもプレゼントがあるわ!」松本晴子はそう言って、美しく包装された箱を橋本燃に手渡した。
橋本燃はソファに座っている温井時雄に視線を斜めに向けた。彼はお茶を手に持ち、天が崩れても色を変えないような冷たい表情をしていた。視線を戻し、松本晴子から箱を受け取って開けた。
箱の中身を見た瞬間、橋本燃の目がわずかに縮んだ。
美しい箱の中には、ある高級ブランドの2000万円相当の女性用高級腕時計が静かに横たわっていた。
時計のデザインは複雑さの中に気品と優雅さがあり、周りには輝くダイヤモンドが埋め込まれ、照明の下で光り輝いていた。
半年前、橋本燃はソファでくつろぎながら雑誌を見ていて、この時計の紹介を見つけ、そのユニークなデザインに惹かれてしばらく見入っていた。
そのとき、彼女の背後から極めて皮肉な声が聞こえた。
「田舎育ちの村の女が、数千万円もする高級時計をつけたいだって!」
「田舎者は田舎者だ。龍の衣を着ても、お前の田舎臭さは変わらない」
温井時雄に嘲笑された後、元々この時計を買うつもりはなかった橋本燃だが、翌日にはこの時計をコレクションとして購入していた。
半年後、温井時雄がこの時計を結婚祝いとして彼女に贈るとは思わなかった。
これは良心の呵責だろうか?
「ありがとう、お姉さん。この時計、とても気に入ったわ。明日の結婚式には、お姉さんからもらったこの時計をつけて嫁ぐわ」
「気に入ってくれて良かった!」