第140章 エンタメ界の覇者

長年にわたり、彼女は解毒法を探し続けていたが、この世にこのような彼女が一度も聞いたことのない異能力の修行者が存在するとは思いもしなかった。

佐藤依子の体内から数百種類の毒素が検出されたにもかかわらず、彼女がまだ死んでいないという事実に、橋本燃は科学では説明できないことが確かに存在すると信じるようになった。

「でも異能力を学ぶ過程はとても厳しいわ。あなたは大人だし、あの光景を見たら気持ち悪くなって、とても続けられないと思うわ!」佐藤依子は静かに言った。

長年毒素に苦しめられてきたため、佐藤依子は目がくぼみ、肌は蝋のように黄色く暗く、髪の毛はすべて抜け落ち、六十歳の老婆のように見えた。

実際、彼女はまだ三十歳だった。

「私は小さい頃から医学を学んできて、それも苦労したわ。最初は漢方医学を学んで、百種の毒を見分けられるように、師匠は私に毒のあるものを直接味わわせ、毒物に噛まれた後で解毒させたの。

その過程はあなたたちの異能力修行者より楽だとは思えないわ。最終的に異能力を習得できるかどうかはわからないけど、それがどういう原理なのか知りたいの。

理解してこそ、松本夕子に対抗する自信がつくし、自分の潔白を証明して、松本晴子を死に追いやった罪を背負い続けるわけにはいかないわ!

それに私は母と弟を救うために医学を学んだの。母はもう私の後悔になってしまった。弟まで私の後悔にしたくない。たとえわずかな可能性でも、諦めたくないの。」

異能力を学ぶことで弟を正常に戻せるなら、どんなに困難で恐ろしい過程でも、彼女は諦めないつもりだった。

「松本夕子は異王に選ばれた異能力の継承者よ。生まれた時から異王自ら教え導かれてきた。彼女が今出てこられるということは、すべての異能力を学び終えたということ。あなたがどんなに才能があっても、彼女の相手にはならないわ。彼女と争わない方がいいと忠告するわ。」

佐藤依子は松本夕子の写真を見て、彼女が異王の継承者であることを確認した。

十年の歳月が流れ、当時の幼い少女は見た目が変わっていたが、あの目を一目見ただけで、松本夕子だとわかった。

十年前、彼女は数少ない異術師の一人として、師匠の指導のもと、異王に召喚され、異能力の秘伝を売った者への処罰を見学した。

そこで異王の側にいる弟子、松本夕子を見た。