「橋本燃が飛炎年華の社長?そんなことあり得ないでしょう?」
「何がありえないの?橋本燃が離婚してから、彼女が出たニュースで、どれが天地を驚かせ、鬼神を泣かせないものがあった?それは普通の平凡な女性ができることなの?」
「削除された監視カメラの映像を修復し、レースのチャンピオンを獲得し、百年の名門沢田家を一夜にして崩壊させ、義理の姉を自殺に追い込むなんて、確かに普通の女性にはできないことね!」
「だから彼女が飛炎年華の社長だとしても、何か不思議なことがある?」
「不思議じゃない、全然不思議じゃない!」
「元妻は美しくて、カッコよくて、お金持ち、温井時雄はトイレで泣き崩れているわ!」
「……」
橋本燃の記者会見の会場は記者で溢れかえっていた。そして、ホテルの向かいのホテルでも、今まさに記者会見が行われていた。
橋本燃の人で溢れかえった会場と比べると、こちらの記者会見は寂しいほど閑散としていた。
会場には3人の記者しかおらず、それも金を払って引き留められた者たちだった。
松本羽源と松本夕子が中央に座り、隣には関係責任者がいた。彼らの後ろの大画面には「熱烈祝賀-柔耀エンターテイメント映像会社-正式設立」と書かれていた。
画面には二つのハンサムで美しい写真があり、一つは黒いスーツを着た、ハンサムでスマートな松本羽源で、その下には彼の名前が書かれ、名前の下には最高経営責任者と記されていた。
隣には笑顔が甘く、春風のように優しく魅力的な松本夕子の写真があり、彼女の名前の下には主任アーティストと書かれていた。
「松本さん、あなたは姉を偲ぶ一曲の神曲でネットで人気を博し、お兄さんがあなたのために急いでエンターテイメント会社を設立し、エンターテイメント界でのあなたの地位を守るために、あなたは自分の未来に自信がありますか?」記者はスタッフが用意した原稿に従って、最後の質問を終えた。
「もちろんです。歌手になると決めた以上、一曲一曲心を込めて歌い、皆さんに聴覚の極致を楽しんでいただきます。そして、こんな素晴らしい兄が私を守ってくれているので、どうぞご期待ください。柔耀映像は皆さんを失望させません。」
松本夕子はカメラに向かって甘い笑顔で、堂々と答えた。