第174章 彼への秘めた恋心

温井時雄は体を硬直させたまま顔を上げず、白いスリッパを履いた均整の取れた白い美脚が彼の視界に入ってきた。

時雄はゆっくりと顔を上げ、黒いキャミソールのパジャマを着た橋本燃が肩に無造作にバスタオルを掛け、照明の下に立っているのを見た。もともと白い肌がさらに光を放つように白く見えた。

水滴の垂れる漆黒の美しい髪が、少し無造作に顔や額に貼りついて、言葉では表せない清純さと色気を醸し出していた。

「寝る前のザリガニと冷えたビール、神仙のような気分よね。小林さん、私とお酒の飲み比べしない?」燃は髪の水分を拭きながら笑顔で尋ねた。

「冗談じゃない、チームでは俺様に酒で勝てる奴はいないぜ。お前が俺と飲むなら、一瞬でぶっ倒してやるよ!」

「じゃあ試してみましょう、先に倒れた方が負け犬ね」燃はそう言いながら勝の隣に座ろうとした。

燃の香りを嗅ぎ、勝は体が震えるのを感じ、猿のように素早く山田睿の側へ飛んだ。

「見てよ、その程度の度胸。もしかして今まで童貞?」燃は美しい眉を少し上げ、からかうような笑みを浮かべた。

勝は燃の視線が触れる場所が、まるで猛火に焼かれるような感覚を覚えた。

「ば、馬鹿言うな!俺様はイケメンだぞ、未成年の頃から俺を追いかける女の子は街の東から西まで並んでたんだ。俺様に愛された女は数え切れないほどだ」勝は強がって言った。

「そんなに多くの女性を愛しておきながら、小さな勝ちゃんが一人も生まれてこないなんて、やっぱり勝兄さんはダメなんじゃない?」燃はさらに明るい笑顔でからかった。

鋼鉄のストレートな男として、能力を疑われるのは耐えられない屈辱だった。

「できるかどうか、試してみれば分かるだろ?」

勝の言葉が出た瞬間、二つの鋭い殺気を含んだ視線が彼に向けられた。

一つは時雄から、もう一つは燃からだった。

「一時的にダメなのが一生ダメになっても構わないなら、どうぞ試してみて!」燃は冷たい目で手の中の精巧な透明な小瓶を振った。

瓶の中にはピンク色の宝石のような粒状のものが入っており、蓋はピンクのレース布で、白いリボンで蝶結びがされていて、まるで芸術品のように美しかった。

燃に何か正体不明のものを振りかけられ、しばらく話せなくなったことを思い出し、勝はすぐに謝罪の笑みを浮かべた。