「私の孫娘は嘘なんかついていません。あなたこそ雷田震を愛していたのでしょう。あなたが雷田震を謀って国を裏切ったと陥れなければ、私の夫が彼を誤解することもなかった。そうすれば心耶が雷田震を救うために銃弾を受けて命を落とすこともなかったはずです。
雷田震は心耶の死によって恨みを抱き、山に立てこもって王となり、あなたは学んだ異能力を使って彼の事業を大きくしていった。
彼を唆して私たちに復讐させ、私たちの家を破滅させた。あなたは悪事を尽くしたのに、結局は雷田震の心を掴むことができなかった。
最後には自分の弟子に、あなたが雷田震を謀って国を裏切ったと陥れた秘密を暴かれ、自分が育てた弟子に地位を奪われた。
さらに自分の弟子に異能力をかけられ、人でも幽霊でもない死に様になった。これがあなたの悪事の報いであり、末路なのです」祖母は憤りを込めた声で言った。
「彼女が松本夕子の師匠?」橋本燃は驚きを隠せなかった。この女性が並外れた存在だとは思っていたが、まさか夕子の師匠だったとは想像もしていなかった。
しかし考えてみれば、それも納得できた。
夕子は母親が彼女を異能力の修行に送ったことで彼らを憎み、皆殺しにしようとしていた。
長年彼女を苦しめた師匠に厳しい仕打ちをして恨みを晴らすのも、無理はない。
「そうです、彼女は松本夕子の師匠、佐藤真珠です」祖母は歯を食いしばって言った。
「私は佐藤真珠よ。珍しい珍、掌上の明珠の珠。高橋豚なんかじゃない」真珠は怒って反論した。
「血まみれの手で、何人もの命を奪った死刑執行人は、豚と呼ばれるにふさわしい。いや、豚に失礼か、ゴホッ...ゴホッ...」祖母は感情が高ぶって咳き込んだ。
「おばあちゃん、落ち着いて。もう死にかけている人と争っても仕方ないよ」燃は祖母の背中をさすりながら諭した。
「あなたこそ三日と生きられない身で、誰が死にかけているって言うの?」
祖母はそれを聞いてさらに激しく咳き込んだ。「な...何ですって?あなたは三日しか生きられないの?」
彼女は以前、真珠が燃に龍鳳蝗術をかけたと言うのを聞いていたが、それがどれほど恐ろしいものか分からなかった。
彼女自身も異能力をかけられていたが、発作が起きると骨まで刺すような痛みがあるだけだった。
まさか孫娘と再会したばかりなのに、孫娘の命が風前の灯火だとは。