第220章 女を追いかける必殺技

「いとこ、そんな手で他の人は騙せても私は騙せないわ。私も昔からよくその手の駆け引きをしてたけど、橋本燃は私が狙ってた獲物たちとは違うわ。ちょっとした策略で簡単に引っかかるような相手じゃない。

燃は恋愛に無知な少女のように単純で、難しい数学の問題を解いてあげただけで崇拝してくれるような子でもないし、生活の質を上げるためにお金が必要な拝金主義の女のように、十分な金や宝石で口説けるような相手でもない。

彼女は実力が君と互角で、君が温井家を狙われないように彼女と義兄弟の契りを結ぶほど警戒する必要がある相手よ。

それならいっそ彼女をもう一度口説いて妻にしたら?あなたたち二人が力を合わせれば、兄弟になるよりも温井グループの安定を保証できるんじゃない?

燃のような無敵レベルの強い女性を追いかけるのは私も経験ないけど、世の中の女性は一つのことさえ覚えておけば、絶対に手に入らない女性なんていないと思うわ。

それは厚かましく恥知らずに粘り強く追いかけること」藤原逸賢は自信満々に言った。

「俺は雷に打たれて不幸な死を遂げても構わないが、あの女と復縁するくらいなら御免だ。温井家が高橋家に飲み込まれないようにする重大な任務は君に任せる。温井と藤原は一家だ。もし温井家が飲み込まれたら、藤原家も同じ運命から逃れられない。

温井と藤原両家の運命のために、恥知らずに粘り強く追いかける技を極限まで発揮して、なんとか橋本燃を手に入れてくれ。そうしたら、感謝の気持ちとして10億円の祝儀を包むから」温井時雄は非常に冷静な表情で言った。

時雄が燃について話す時の、波一つない平静な表情を見て、逸賢は好奇心から尋ねた。「本当に燃に対して何の気持ちもないの?」

「どう思う?もし彼女に気持ちがあったなら、結婚して3年も何もしないままだったと思うか?」

「それは松本晴子に対して責任感が強すぎたからじゃないの?今は晴子も亡くなって、燃とは関係ないんだから、なぜ燃と再婚しないの?」

逸賢は燃のような輝きを放つ女性には、自分も数回会っただけで惹かれてしまうのに、時雄が3年も一緒に過ごして何も感じないはずがないと思った。

「好きというのは奇妙な電磁反応のようなものだ。ある人に対して感情がなければ、一生一緒に過ごしても感情は生まれない。