大統領宮で、朝の会議を終えたばかりの田中黙は電話を切り、その端正な顔には隠しきれない幸せな笑みが浮かび、口元は魅力的な弧を描いていた!
「田中将軍、先ほどの朝会ではずっと真面目な顔をしていましたが、どんな電話でそんなに嬉しそうなのですか?もしかして西興戦区でまた何か良い知らせでも?」二品官吏甲が笑いながら尋ねた。
「今や西興戦区は全ての国境地帯の中で最も安全な戦区となっています。Y国もT国も、田中将軍に対して心服しているか、あるいは打ちのめされて悪巧みする勇気もなくなっています。きっと他に何か将軍を喜ばせることがあったのでしょう」一品官吏乙が笑いながら言った。
「君たち二人は仕事中毒だな、何かあれば仕事に結びつける。私に言わせれば、我らが冷面閻魔がこんなに輝くような幸せな笑顔を見せるのは、きっと女性のせいだろう。
恋に落ちた男だけが、あんな無防備で純粋な笑顔を見せるものだ。田中将軍、昨日の高橋司令の誕生日会が始まる前に帰られましたが、もしかして恋人に会いに行ったのではないですか?
教えてください、どこのお嬢様がそんな幸運を手に入れたのですか?こんなに若くて有能な将軍に見初められるとは」官吏乙は好奇心いっぱいの顔で笑いながら尋ねた。
「皆さん冗談を。私は今は仕事に集中したいだけです。他のことは今のところ考えていません」黙は再び冷たい表情に戻り、よそよそしく丁寧な声で答えた。
後ろを歩いていた高橋啓山はこの会話を聞き、また誰かが黙に女性を紹介しようとしていると思い、急いで数歩前に出た。
「田中将軍、今日の朝会でのご提案は素晴らしいと思います。今や繁栄する北虹国では、百の都市が栄え、あらゆる産業が発展し、各地方都市は美しく強い都市づくりを加速させています。
帝都は北虹国の首都として、常に控えめで内向きな方針で発展してきましたが、その結果として経済的に追い越されるだけでなく、都市建設も他の都市に大きく遅れをとっています。
帝都の刷新は今すぐに取り組むべき課題です。帝都は単に北虹国の尊厳であるだけでなく、世界に示す名刺でもあります。
この名刺が十分な自信と品格を持っていてこそ、外国は我々が本当に強くなったと感じるでしょう。まだ食べ物も満足に食べられず、暖かい服も着られないという遅れた印象のままではいけません」