第282章 階段から突き落とす

「謝罪?私は何もしていないのに、なぜ謝らなければならないの?なぜ公式サイトで釈明する必要があるの?」橋本燃は困惑して尋ねた。

傍らにいた高橋お爺さん夫妻は燃の先ほどの言葉を聞いて、孫娘が公衆の面前で下痢したのは燃が薬物投与への報復だと思っていたが、彼女のこの発言を聞いて、すぐに心が躍った。

「燃、その言い方は夢耶の下痢はあなたのせいではないということ?」高橋老夫人が尋ねた。

「もちろんですよ、お祖母さん。私と夢耶の普段の関係がどんなに悪くても、昨日は叔父さんの誕生日だったので、私たちは外部に対して一致団結して、他人に笑われるようなことはしません。

何より大事なのはお祖母さんです。私が命がけで毒匪の巣窟から救い出したお祖母さんは、私にとても優しくしてくれる。あなたを悲しませたくないんです。」

燃のこの言葉には少しの偽りもなかった。

高橋家で、もし本当に彼女を愛してくれる祖父母がいなければ、彼女はここに来ることはなかっただろう。

「お祖母さんはあなたの人柄を信じているわ。あなたはそんなことをするような子じゃない。」高橋老夫人は嬉しそうに言った。

「橋本燃、あなたはさっき私を害したと認めたのに、今度は認めない。目を開けて嘘をつくなんて、私をなめているの?」高橋夢耶は怒って言った。

「私はあなたに下痢の薬を仕掛けたとは一度も認めていません。ただ、どんな対処法があるのか尋ねただけです。あなたたちの対処法は私の名誉と人格を犠牲にすることで、そんなことに同意するわけがないでしょう?

高橋夢耶、私の言うことを聞き入れないのはわかっていますが、他人の言葉に簡単に惑わされないでください。高橋家であなたが恥をかいたら、誰が一番得をするか考えたことはありますか?」

燃は言いながら、冷たい視線を高橋若渓の顔に向けた。

「橋本燃、何が言いたいの?姉さんに薬を盛ったのは私だと疑っているの?姉さんは小さい頃から私を実の姉妹のように扱ってくれた。私がどうして姉さんを陥れることができるの?人を誹謗中傷しないで。」若渓はすぐに反論した。

「後ろめたいことをしていなければ、心配することはないはず。私はあなたのことを言ったわけでもないのに、なぜそんなに急いで弁解するの?」