高橋博樹は一生を戒め、栄光のうちに退職し、彼の人生は伝説的なものだった。
国のために、忠実に職務を全うし。
家族のために、慈愛に満ちた父であり。
愛のために、四十年間妻を守り続けた。
彼と妻の物語が北虹国に伝わると、何億もの人々の心を動かした。
四十年の別離の間、彼は功成り名を遂げても、新しい妻を娶ることはなかった。
彼女は四十の春秋を闇の中で過ごしても、絶望して命を絶つことはなく、最終的に夫婦は再会を果たした。
そして最後には共に手を取り合って世を去った。
このような離れず、見捨てず、諦めない愛は世にも稀で、聞けば感動し、耳にすれば心を揺さぶられる!
二人の葬儀はシンプルで控えめに行われ、最後には墓園に永遠に合葬された。
墓石に刻まれた二人の若い頃と老年期の写真を見ると、一方は青春の輝き、もう一方は白髪の老い、それぞれ異なる時代の記憶であり、それぞれに異なる美しさがあった。
しかし二組の写真には共通点があった。
それは同じように夫婦の相が似ており、同じように釣り合いがとれ、同じように天が結び合わせた一対だということだ。
「おじいちゃん、おばあちゃん、これからは二度と誰も二人を引き離すことはできません。二人は永遠に一緒です。天国から見守ってくださる二人のおかげで、私たち子孫は必ず平安で幸せに、永遠に幸福に暮らします。どうぞあちらで安心して過ごしてください」
一行は墓参りを終え、墓園を出た。
「燃、おじいちゃんとおばあちゃんの後事はすべて済ませたけど、私たちと一緒に安城に帰る?」高橋淮陽の父親である高橋啓川は目を赤くして尋ねた。
十代の頃に雷田震の奇襲を受け、彼らが離れ離れになった後、啓川は脳に損傷を負い、自分の出自を忘れてしまった。
長い年月を経て、ようやく実の両親と再会できた。
喜びと嬉しさはあったが、彼らは安城での生活に慣れており、帝都の風土にも馴染めなかったため、ずっと帝都に定住することはなかった。
今回、父親が病気になり、彼らが駆けつけた翌日、夫婦二人も病気になってしまった。
今や両親は埋葬され、彼らも体を養うために帰りたいと思っていた。
結局、年を取ると体は疲れに耐えられなくなる。姪の医術がどんなに優れていても、彼らの体には対症療法にしかならない。
やはり長年暮らした街に戻るのが一番だ。