第353章 男が女の道を行けば、女は行き場を失う

田中黙が彼の荷物を置いて、彼女に出て行くように急かした時、彼女の目に浮かんだ変化と恐れを、彼はすでに見抜いていた。

小さな女は、彼が昨日のように彼女を中途半端なキスで苦しめることを恐れていたのだ。

二人の将来の楽しい新婚初夜のために、黙は今日、厚かましくも経験豊富な藤原錦一に教えを請うた。

錦一は彼が昨晩手に入れられなかったこと、そして二人が復縁した後の初めての時を新婚の夜に取っておきたいと知ると、黙に対して万の白い目を向けた後、男女の道について滔々と語り始めた。

学んだ後、黙はようやく夫婦の営みについて、男性だけでなく女性も中途半端な状態では、男性と同じように抑圧され苦しむことを知った。

ただ女性は控えめで、それを恥ずかしいことだと思い、パートナーに笑われることを恐れて、しばしば表現したがらないのだ。

だから今夜の任務は、彼女と一緒にいるだけでなく、彼女が身も心も喜びを感じられるようにすることだった。

……

橋本燃がお風呂から出てくると、紺色のパジャマを着た田中黙がクローゼットの前に立ち、服をしまっているところだった。彼の足元にはスーツケースがあった。

「なんで服を全部持ってきたの?誰があなたに私の家に住むことを許したの?」燃は目を丸くして尋ねた。

「三ヶ月の愛の試練って言ったじゃないか?今日調べたんだけど、愛の試練というのは本当の夫婦のように過ごすことで、そうすれば二人の間に合わない点が見つかるんだ。君に私という人間を全方位から死角なく理解してもらうために、引っ越してきて一緒に食べて住むことにしたんだ。三ヶ月後、もし私がまあまあだと思ったら、私の家に引っ越してくればいい。結局、私は男だし、古今東西、家を提供して女性や子供を風雨から守るのは男の役目だから、私も例外ではないよ」黙は真剣な表情で言った。

「あなたの言うことは少し正しいかもしれないけど、引っ越してくるなら一言相談もなしに勝手に決めるなんて、それって人を尊重していないんじゃない?それだけでもあなたは不合格よ。三ヶ月どころか、三日も経たずに脱落ね!」燃は腰に手を当て、怒った顔で言った。

黙は最後の服をクローゼットに掛け、深い眼差しで燃に向かって歩いていった。

黙が厳しい表情で自分に向かってくるのを見て、燃は思わず一歩一歩後退した。