西野豊は少し怒って言った。「橋本、これはちょっと筋が通らないんじゃないか?番組がまだ正式に始まってもいないのに、もう人を引き抜き始めるなんて。私たちに資源がないのをいいことに利用しているんじゃないのか?」
審査員として、もう一つの重要な段階がある。それはチームパフォーマンスによる投票集めだ。
21人の姉さんたちが、最終的に12人だけになった時点で、4人の審査員がそれぞれ3人ずつチームを組み、パフォーマンスを披露して投票を集める。
審査員が姉さんたちの心の中で好感度が高く、知名度の高い姉さんほど、その審査員を選ぶ可能性が高くなり、成功率も上がる。
「西野兄さん、怒らないでください。知名度や地位で言えば、私は皆さんと比べられません。だから手元にあるわずかなリソースで姉さんたちの好感を買うしかないんです。私も本当に他に手がなくて...どうか今回だけは許してください。次回は脚本で人を誘惑したりしません」橋本燃は低姿勢で取り入るように言った。
「ダメだ。もう君は人々の心を誘惑してしまった。あの姉さんたちが君を見る目はまるでファンのようで、君のつなぎの前にひれ伏したいとさえ思っているようだ。私は君に罰を与えなければならない」西野は真剣な表情で言った。
「では西野兄さんはどんな罰を与えたいですか?」燃は西野の真剣な様子を見て、誠実な目で尋ねた。
すると西野の厳しい表情が突然、滑稽なおねだりの笑顔に変わった。
「君のドラマで私も何か役をもらえないかな?私は顔にシワが多いから主役は無理だけど、宦官役でちょっと出るくらいならできるだろう」
西野の突然の展開に、皆は腹を抱えて大笑いした。
「それは私が願ってもないことです。西野兄さんが屈辱だと思わなければ、必ず宦官の役をあつらえますよ」
「本当に宦官なのか、橋本、君は冷酷だな。でも、それがいい!」
西野はさすがコメディ界の重鎮だ。数言の言葉と笑っても泣いても笑顔になる彼のおかしな表情で、その場の雰囲気はすぐに和やかになった。
一般的にバラエティ番組の収録は最低でも2ヶ月かかるが、伊藤興文が作り上げようとしているこの番組は、独創性と不可能への挑戦、そしてアーティストの潜在的な爆発力を引き出すことが売りだ!
そのため、参加者たちの時間は一刻一秒を争うものとなっている。