後藤澄玲のこの曖昧な態度に、須藤白誠と陸橋景陽は混乱した。澄玲はまだ離婚するつもりなのか、彼らを助けるつもりなのか。
深井琉生たちは意味深な笑みを浮かべた。後藤澄玲があのようにお尻を陸橋北都の膝に座らせた後、北都の表情が明らかに良くなったからだ。
両手で陸橋北都の首を抱き、後藤澄玲は笑顔で言った。「さっきは私が離婚の話をしても反応しなかったわね。それってきっと離婚したくないってことでしょ?お金を拾ったより嬉しいわ」
後藤澄玲のたわごとに、陸橋北都は心が和らいだが、まだ気取って言った。「後藤澄玲、こんなに多くの目が見ている中で、恥ずかしくないのか?」
後藤澄玲はまだ手を離さず、笑って言った。「私は自分の夫を抱きしめているだけよ。他人の夫じゃないわ。恥ずかしくても構わないわ」