第88章 お前のどこを見たことがない

陸橋北都の説明に、後藤澄玲は気にせず言った。「私を怒らせたいなら、言わなければいいじゃない!」

陸橋北都は彼女を見下ろした。「私の気持ちが、わからないの?」

はっきりと謝罪はしていないものの、陸橋北都は自分が十分明確にしたと感じていた。

後藤澄玲はゆっくりと彼の腕から抜け出し、ドアのところまで歩いてドアを開けた。「腰は良くなったでしょ?良くなったなら自分の部屋に戻って。」

彼が誰に何をプレゼントするかは彼の勝手だけど、今日彼が彼女を見た目は一生忘れられないだろう。

だから今は彼女を三歳児のように扱わないで、平手打ちをした後でなつめを与えるようなことはしないで。

それに、彼はなつめさえくれていない。

後藤澄玲がドアを開けると、陸橋北都は息が詰まりそうになった。

後藤澄玲をしばらく見つめた後、陸橋北都は顔を背け、後頭部を彼女に向けて言った。「良くなってない。」