「お義姉さん」後藤澄玲に声をかけると、須藤白誠は得意げに眉を上げて言った。「お義姉さん、やっぱり兄貴は入院したんだよ。嘘じゃなかっただろ!」
後藤澄玲が口を開く前に、須藤白誠はまた嬉しそうに言った。「お義姉さんは兄貴に会いに来たんでしょ!じゃあ、お二人の邪魔はしないよ。先に帰るね」
そう言うと、彼は両手をポケットに入れて前に歩き始めた。
後藤澄玲の横を通り過ぎる時、彼女に向かって眉をひょいと上げた。まるで「知ってたよ、兄貴のことが忘れられないって。絶対に会いに来ると思ってた」と言わんばかりだった。
須藤白誠の得意げな態度に、後藤澄玲は両手をコートのポケットに入れたまま、足を上げて彼を一蹴りした。
「お義姉さん、照れなくていいよ」と須藤白誠。
その後、口笛を吹きながら去っていった。