彼女の唇は三年前と同じく柔らかく、陸橋北都がそれに触れると、もう離れたくなくなるほど柔らかかった。
彼女の唇を優しく吸いながら、彼は思わず彼女の唇を開かせ、柔らかな舌に触れた。
彼女はまだあの頃と同じく甘く、その甘さに傷の痛みさえ忘れるほどだった。
三年ぶりに会って、彼は彼女が恋しくてたまらなかった。一緒にいた日々を大切にしなかったことを後悔していた。
彼女があの火事を起こしたとしても、それがどうした?
多くのことは、今振り返ってみればそれほど重要ではなかった。
それに人の感情や考えは流動的で、不変ではない。
「んっ〜」後藤澄玲が眉間にしわを寄せて唸り、目覚めそうになった時、陸橋北都はようやく唇を離し、ゆっくりと体を起こした。
後藤澄玲を見下ろしながら、陸橋北都は彼女をベッドに連れて行こうと思ったが、体のいくつかの刀傷のせいで力が入らず、結局彼女をソファで寝かせ続けるしかなかった。