第265章 でも私はもうあなたのことがどんどん好きになっている

三十分後、楓川村の村民たちが小型バスに乗って帰る頃、後藤澄玲はようやく一段落ついた。

小型バスが去っていくのを見送りながら、彼女の心に引っかかっていた石もようやく下ろすことができた。ついに楓川村の村民たちに正義をもたらし、彼らはもうフッ素汚染に悩まされることはない。

「澄玲」背後から深井琉生の声が聞こえて、後藤澄玲はようやく我に返り、笑顔で振り向いて彼の方へ歩いていった。

「澄玲、すごいね」深井琉生は彼女を褒めた。

後藤澄玲は笑って、茶目っ気たっぷりに言った。「わぁ!深井社長からの褒め言葉、光栄です」

深井琉生はさらに明るく笑い、手を伸ばして彼女の髪をくしゃりと撫でた。

後藤澄玲も笑った。事件を一つ解決するたびに、彼女は成長し、心も晴れやかになっていく。

後藤澄玲の笑顔を見て、陸橋北都は右手で優しく彼女の頬に触れた。「お疲れ様」