093 伊藤雲深:彼は獣になった【6更】

鈴木知晩はここまで聞いて、握りしめていた指をようやく緩めた。

そうだ。

どう考えても、勝山子衿はまだ全科目で不合格の落ちこぼれだ。

自分は将来帝都大学に入るのに、子衿は?

おそらく二流大学にすら合格できないだろう。

確かに自分と比べるまでもない。

知晩は首を振って微笑み、校門を出た。

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作品の盗用事件以外は、芸術祭の進行は例年通りだった。

勝山子衿は授賞式には出席せず、19組の数人の部下がそれぞれトロフィーを受け取った。

芸術祭が終わった後、彼女は学校側から振込を受けた。

合計で200万円。

彼女は7つのコンテスト部門に参加し、一等賞は10万円だった。

校長の意向により、残りの130万円は補償金だった。

子衿はメッセージに表示されたゼロの数を見て、青葉高校への好感度がさらに上がった。

この学校では

彼女は椅子に寄りかかり、手を上げてキーボードを叩き、株取引ソフトをクリックした。

子衿は市場全体を一瞥した後、先月購入した1000万円分の株を一括で売却した。

その後、彼女はNOKのログインプログラムを開いた。

NOKフォーラムを知る人は多くないが、ログインプログラムさえあれば誰でもアカウントを登録できる。

これが、フォーラムのトップページにあれほど多くの霊能師や暇人ユーザーがいる理由だ。

結局のところ、隠しフォーラムの存在を知らない人ばかりではなく、ログインプログラムも特に外部に対して暗号化されていなかった。

トップページは普通のフォーラムと変わらず、物語を連載しているユーザーも多かった。

セクション設計においても、NOKフォーラムは他のフォーラムと大差なく、非常に普通だった。

しかし、この一見普通で平凡なフォーラムでは、毎秒無数の情報が流入・流出していた。

子衿は入ると、トップページを一瞥した。

今日の人気スレッドは助けを求める投稿だった。

投稿は10分前に作成されたものだが、すでに500件の返信があり、人気はまだ上昇中だった。

子衿は目を伏せ、この投稿を開いた。

【助けて】:先日O大陸に行ってきたんだが、助けてくれ!

【1】:タイトル通り、やっと少しお金を貯めて、ようやく旅行に行けるようになった。生まれてこの方一度も海外に行ったことがなかったから、O大陸へのツアーに申し込んだんだ。