デッサン……
芸術部の部長は見ているうちに、沈黙に陥ってしまった。あまりの衝撃に言葉も出なくなっていた。
「つまり、すべての競技部門で、一位は勝山子衿さんということです」審査担当の教師の一人が咳払いをした。「だからかなり特殊なケースで」
これまでも優秀な生徒は多く出てきたが、最も多くても三つの競技で賞を総なめにする程度だった。
一等賞を一つ取るだけでも、すでに大変なことだ。
すべて一位というのは、ほぼ不可能だった。
結局、専門分野というものがあり、誰も万能ではないのだから。
しかし今回、本当にすべての部門で一位を取った生徒が現れたのだ。
これはまだ人間なのか?
審査員の教師たちや芸術界の巨匠たちも互いに確認し合ったが、文句のつけようがなかった。
一等賞を与えるのでさえ、低すぎるくらいだった。
芸術部の部長はまだ沈黙したままで、しばらくして、ようやく恍惚とした表情で言った。「ああ、後で掲示板に貼っておいてください」
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開会式が終わると、この芸術祭はほとんどの生徒とは無関係になった。
多くの生徒がカバンを背負い、歓声を上げて学校を出ていった。
出る前に、高校三年生の教室棟の前で自慢げに走り回るのも忘れなかった。
高校三年生たちはペンを投げ出したくなるほど腹を立てたが、仕方ない。大学入試が迫っているので、彼らはただ試験問題を解き続けるしかなかった。
温井奈海はクラスにいなかった。
彼は青葉学園の特別招待生で、特権も少なくなかった。
彼のために、青葉学園はかつて清水県まで足を運び、英才クラスに入れようとしたほどだ。
奈海が最終的に大学入試に参加できれば、他のことはどうでもよかった。
だから中間・期末試験でさえ、奈海が参加したくなければ参加しなくてもよかった。
英才クラスの生徒の中には、これに不満を持つ者もいなかったわけではない。
しかし、奈海はネット上で公認の難易度爆発と言われる英才クラスの試験でさえ満点を取ることができた。
彼らは秀才だが、奈海は変態だった。
黙るしかなかった。
だから他の生徒が問題を解いている間、奈海は鈴木のご老人と一緒に学生長廊で休んでいた。
鈴木のご老人は8時半に学校に着いたが、開会式は見ずに、子衿に奈海に連れて行かれた。
もっとも、奈海は姉がなぜそうしたのか分からなかった。