初めてこの番号から電話がかかってきたのは、七年前、彼がノートン大学に合格した時、ノートン大学の入学事務局からだった。
しかしその後、彼はノートン大学の公式な電話を二度と受けることはなかった。
残りの数回は、すべて彼の指導教授からのものだった。
だから部外者はもちろん、かつてのノートン大学の学生である彼らでさえ、ノートン大学の全容を窺い知ることはできなかった。
あまりにも神秘的で、あまりにも憧れの的だった。
加藤勲はすぐに電話に出た。「もしもし。」
「加藤、私だ。」電話の向こうは、やはり彼の指導教授だった。「本来なら、この電話を受けることはなかったはずだ。」
この言葉を聞いて、勲の喉が引き締まった。「先生?」
「知っているだろう?」指導教授はため息をついた。「大学側もお前の仕事ぶりを記録していて、それによって試験なしで卒業できるかどうかを判断しているんだ。」
勲は目を沈ませた。「はい、知っています。」
試験があまりにも難しいため、ノートン大学は別の選択肢を提供していた。
学生が仕事で大学の要求を満たせば、試験を受けずに直接卒業証書を得ることができる。
彼が青葉高校で教師になることを選んだのも、教師という仕事がより簡単で便利だからだった。
「今日の君の行動に、大学はとても失望している。特に処罰まで受けたことにね。」指導教授は残念そうだった。「加藤、だから君の試験の難易度は倍になった。君が教える生徒の中から、少なくとも二人が大学の面接と入学試験に合格しなければならない。」
勲の表情は一瞬で変わった。「先生!」
この入学試験はD級学院のものではなく、S級でなくても少なくともA級のものだ。
誰もがA級学院に入れるなら、試験など何のためにあるのか?
一人でさえ難しいのに、二人となるとほぼ不可能な話だ。
試験は二択だが、もう一つの試験はさらに難しく、ノートン大学が出す課題を解かなければならない。
だから彼はあの学習配信者に助けを求めたのだが、結局は水の泡だった。
「これでいいだろう、加藤。」老人は信仰深い人だった。「神のご加護があらんことを、幸運を祈る。」
電話が切れ、勲はまだ呆然としていた。
O大陸の遠く離れた場所、大洋を隔て、数え切れないほどの国々を越えて、ノートン大学が青葉高校で起きたことを知っているとは。