180 ノートン大学面接現場で会おう【1更】

「……」

一瞬にして全ての音が消えた。

一見すると普通のカードと変わらず、むしろ粗雑とさえ言えるものだった。

しかし、その金箔で縁取られた模様は、この黒いカードが並のものではないことを示していた。

勝山子衿の瞳が固まる。

彼女はこの模様を知っていた。

タロットカードの大アルカナ、ナンバー「1」の魔術師のカードにも同じ模様があった。

そして、確かにノートン大学でよく使われている模様でもあった。

さらに、こんな醜い字を書けるのは、あの錬金狂人しかいないだろう。

伊藤雲深がこのカードをテーブルに置くと、温井奈海だけでなく、高三英才クラスの他の生徒たちも少し呆然としていた。

ノートン大学からの招待状?

しかもSS級学院からの?

彼らはノートン大学の内部事情については何も知らなかったが、SSという二つの文字が最高レベルを意味することは知っていた。

「SS級学院の招待状だって?」その男子生徒は一瞬呆気にとられた後、笑いそうになった。「ノートン大学にSS級学院なんてあるのか?適当なこと言うなよ」

しかし加藤勲は唇を引き締め、ずっと黙ったままで、表情も少し呆然としていた。

彼は招待状をもらったことがなかった。結局D級学院に行ったのだから、ぎりぎり滑り込んだだけだった。

しかし彼はA級学院の招待状を見たことがあった。

こんなに簡素ではなく、単純な二行の文字だけということもなかったが、使われている紙は確かに同じ種類のようだった。

この種の紙は、彼の指導教官のオフィスでしか見たことがなかった。

とても貴重で、火で燃やすことも水に浸すこともできないと言われていた。

さらに指導教官から聞いたところによると、ノートン大学から発行される招待状には、紛失防止のために小型の位置追跡システムが内蔵されているという。

加藤は視線を下げ、黒い金箔カードの中央に目を落とすと、確かにそこに小さな突起が見えた。

彼の瞳孔が急激に収縮し、顔の筋肉も微かに震え、信じられない様子だった。

男子生徒と国際クラスの二人の生徒は、彼のこの表情を見て、思わず心が震えた。

まさか、これは本当にノートン大学SS級学院からの招待状なのか?

いや、そんなはずがない。

ノートン大学の招待状を手に入れた人間が、自分で行かずに人にあげるだろうか?