183 信じ難い、試験面接官は勝山大物【1更】

地下鉄の真ん中の車両のドアが開いた。

先ほど彼を止めた乗務員が自ら降りてきて、とても恭しく少女を迎え入れた。

彼女はこちらに横向きになっていて、距離は遠かったが、輪郭ははっきりと見えた。

加藤勲は男子学生の声に従って見てみたが、横顔を一瞬見ただけで、少女はすでに地下鉄に乗り込んでいた。

ドアが閉まると、地下鉄は走り去った。

地下鉄駅は空っぽになり、他の人もいなくなった。

「まさか?」隣で、インターナショナルクラスの学生たちは笑い出した。「加藤先生が私たちをここに連れてきて、通行証も使ったのに、彼女が高校2年生の学年トップだとしても、ノートン大学の人間じゃないよ」

通行証がなければ、あの電話ボックスに入ったとしても、この地下鉄駅には来られないはずだ。

別のインターナショナルクラスの学生も言った。「そうだよ、彼女が面目を保つために私たちについてきたとしても、入れないはずだよ」

二人の仲間がそう言うので、男子学生は躊躇した。「見間違えたのかな、でも…」

勝山子衿のあの顔は、攻撃性が強すぎて、青葉では知らない人はいないだろう。

一度でも見たことがあれば、横顔だけでも忘れることはないはずだ。

まさかノートン大学に入れることになって興奮しすぎて、人を見間違えたりはしないだろう?

加藤勲も彼がここで本当に子衿に会えるとは思っておらず、それはとんでもない冗談だと思った。

ノートン大学の副学長が自ら迎えに来るような人物なら、帝都大学の学長でさえ格が足りないだろう。

ノートン大学の世界一の実力はそこにあり、遥かにリードし、揺るぎないものだ。

おそらく学術界のトップレベルの人物だろう。

加藤勲はそれ以上考えなかった。

副学長どころか、ノートン大学で4年間過ごしても、彼は管理職の一人にも会ったことがなかった。

D級学院の学生は、ノートン大学の核心部分に触れることはできないのだ。

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地下鉄の中。

この地下鉄の内部は外観と全く異なっていた。

中世の古代ローマ風を踏襲し、窓の横にはキャンドルスタンドや油絵もあった。

座席はなく、代わりにティーテーブル、ソファ、本棚などがあった。

車両というよりも、豪華な部屋のようだった。

子衿は目を上げ、その中の一枚の絵に注目した。バロック様式が濃厚だった。

明らかにキノ・フォンの作品だ。