225 泣いて勝山大物に頼む【1更】

勝山月咲は鈴木曼華が電話を受けているのを見て、密かにほっとした。

少なくとも、曼華の愚痴を聞かなくて済む。

彼女は寝室に戻って休もうとした。

しかし、二歩ほど歩いたところで、曼華が信じられないという口調で問い返す声が聞こえた。

「何ですって?勝山子衿にお願いする?あなた狂ったの?それとも私の聞き間違い?」

月咲の足が止まり、困惑して振り返った。「お母さん?」

「何のIBI?」曼華はまるで冗談を聞いたかのようだった。「IBIが何だと思ってるの?八百屋?IBIが国際調査局だって知らないとでも?」

「もういいわ、言っておくけど、円谷麗子、あなたはもう私の三番目の兄と離婚したのよ。鈴木家の人間じゃないわ。なぜあなたを助けなきゃならないの?」

「いいわ、一歩譲っても、あなたがまだ義姉だとしても、私は子衿にお願いなんてできないわ。この先もずっとね。」

ここまで聞いて、月咲は曼華が誰と話しているのかわかった。

鈴木知晩の母親、鈴木夫人だ。

彼女は知晩が鈴木のご老人によって国外に送られ、夫人は鈴木家から追放されたことも知っていた。

結局、夫人のあの「教育」がなければ、知晩も今日のような状況にはならなかっただろう。

小さい頃、知晩は彼女に対しても小さな嫌がらせをしたことがある。

「本当に笑えるわ」曼華はもう聞く気がなかった。「彼女にそんな力があるなら、私は首を差し出してもいいわよ。あなたは私に彼女にお願いしろって?私の顔はどこに置けばいいの?」

言い終わると、夫人の返事を待たずに電話を切った。

「月咲、あなたの元叔母さんは、お祖父さんの家を出た後、ショックで頭がおかしくなったのかしら」曼華は少し感情を落ち着かせ、嘲笑した。「彼女ったら、あなたの妹がIBIを呼んで彼女を捕まえたって言うのよ。笑えるでしょう?」

IBI、国際調査局!

国際的な大事件だけがIBIの上層部を動かすことができる。

鈴木家を出て外では、夫人を知っている人はほとんどいない。

「妹?」月咲は少し驚いた。「妹とIBIに関係があるの?」

「何の関係があるっていうの?」曼華の表情は冷淡だった。「関係があるとすれば、せいぜいこの前IBIが鈴木集団のために声明を出したくらいよ。」