224 勝山さんとIBIの上官は関係がある【3更】

彼は一人で来ただけで、助っ人も連れてこなかった。

それどころかスーツ姿で、急いで来たせいか、シャツにはシワが寄っていた。

全く威圧感のない様子だった。

その用心棒たちは皆、大きな場面を経験してきた連中で、集団での喧嘩も何度もやってきた。一言の脅しに怯えるわけがない。

国際手配だなんて、とんでもない冗談だ。

最前列の用心棒たちは無視して、さらに前進した。

傍らで、八木様は眉をひそめ、何かを必死に考えているようだった。

突然、彼は冷や汗を流し、激しく叫んだ。「全員止まれ!止まれ!」

用心棒たちは皆、八木様に従っているので、彼がそう命じれば当然止まらなければならないが、皆が困惑していた。

若い探員はスーツの埃を払いながら、皮肉げに笑った。「何を止めるんだ?さっきまで気勢を上げて人を痛めつけようとしていたじゃないか?さあ、道を開けてやったぞ。まさか私からお願いしろとでも?」

「いえ!私たちはただここを見に来ただけです」八木様は泣きそうな笑顔を浮かべ、言葉に詰まりながら言った。「絶対に他意はありません。今すぐ帰ります!今すぐ帰ります」

この言葉を聞いて、若い探員は顔から笑みを消した。「帰る?本当に、あなたが遊んでいるだけで、IBIも付き合うと思っているのか?」

彼は足元の道を指差した。「恐れることはない。今日あなたが帰っても、私たちはあなたを見つけられる」

八木様の冷や汗はさらに増え、数珠を握る手も震えていた。

彼はどうしても理解できなかった。いつものように方角志成から電話を受け、荷物を確認しに来ただけなのに、まさかIBIに鉢合わせするとは!

IBIとはどんな存在か?

国際犯罪を専門に取り締まる組織だ!

国際的に悪名高い犯罪者だけがIBIの手配リストに載るのだ。

彼は寧川のただの小物に過ぎない。IBIの目に留まり、わざわざ上級探員を派遣する価値があるのか?

八木様は突然、全身が冷たくなるのを感じた。

彼は実際にIBIの探員や国際警察を見たことがあったが、その時彼らが追っていたのは彼ではなかった。

だからこそ、彼はより恐怖を感じていた。

もちろん、今日IBIが派遣したのは上級探員一人だけで、彼にはこの上級探員を留める力はあった。

しかし、そんなことをすれば、彼は本当に死に近づくだろう。