257 帝大教授が自ら出場:あなたにその資格があるのか?【4更】

飛鳥夢子はさらに緊張した。

この問題はとても難しく、彼女も問題を読み終えたばかりで、頭の中でようやく解法の糸口が見えてきたところだった。まだ完全に整理できていない。

勝山子衿がこのように呼ばれて前に出て、本当に解けるのだろうか?

本谷先生はマーカーペンを渡しながら言った。「答えをそのまま書かないで、書きながら説明してくださいね。」

ライブ配信が始まると、コメント欄にもポツポツとコメントが増えてきた。

【これがあの芸術系の生徒?】

【この美貌、すごすぎる。芸能界入りできるレベルだよ。あのトップアイドルたちも顔負けだわ。】

【やっとこの芸術系の生徒を見られた。彼女が本当にできるのか、なぜISCの国際大会の出場権を得られたのか見てみたい。】

修斗彩は髪をかき上げながら、黒板に目を向けた。

彼女から見れば、勝山子衿は良くても自分と同じレベル、もしかしたらそれ以下かもしれない。

彼女も子衿がこの問題を解けるかどうか見てみたかった。

修斗彩の隣で、ある生徒がふんと笑った。「夢子と深山越の助けがなければ、この問題なんて解けるわけないだろ?」

もしこの問題が解けなければ、国際決勝に出場する資格なんてないはずだ。

「この問題はとても簡単です」子衿はマーカーペンを持ち、落ち着いた声で言った。「まずここに補助線を引いて、それからこの公式を使って…」

彼女は説明しながら書いていった。

特に急ぐわけでもなく、思考の流れも明確だった。

徐々に、他の生徒たちの表情も真剣になっていった。

夢子も口を開けたままだった。

子衿の解法は彼女のものとまったく異なり、少なくとも6つのステップを省略していた。

競技では時間が重要で、ステップを省略できれば、より多くの問題に取り組むことができる。

本谷先生はその解答過程を見ながら、顔が平手打ちを食らったかのように赤くなった。

この問題は彼女が帝都大学から持ってきたもので、もちろん自分でも解いたが、このような解き方があるとは全く思いつかなかった。

高校生の知識が自分より優れているなんて?

そんな中、子衿は最後の数字を書き終えた。「説明は以上です」

本谷先生は表情を硬直させ、なぜか狼狽えた様子で、少女の目を直視できなかった。「正、正解です」

子衿は手を拭いて、自分の席に戻った。