前世紀、和国の科学技術は常に世界から遅れをとっており、先進国と比べるとまったく太刀打ちできなかった。
学術面でも同様だった。
そのため、多くの人が海外に留学し、学業を修めてから帰国していた。
しかし21世紀に入ってから、和国の総合国力は急速に成長し、特に人材資源の面では目覚ましい発展を遂げていた。
昨年、国際数学、生物学、化学、情報学のすべての競技会で、和国から派遣された学生チームは全て金メダルを獲得し、団体総合得点でも全て1位を獲得した。
しかし飛鳥夢子たち3人を除いて、他の受賞者はすでに大学に進学しており、もうISCに参加することができなかった。
特に初日のISC総合ランキングでは、和国区域の1位がようやく総合ランキングの10位に入るという状況だった。
これにより、かつて一歩及ばなかった他国の人々が騒ぎ始めた。
海外のサイトでは、目を覆いたくなるようなコメントが多く見られた。
【言っただろう、ISCは理論だけでなく実践力も試されるんだ。今日、妹が模擬実験の問題を引いたけど、和国の学生たちは実践面で本当に私たちより劣っているよ。】
【総合ランキング1位が誰か知ってる?M国が今年新たに迎えた天才だよ。彼女がいる限り、1位は他の誰のものにもならないさ。】
【和国で去年金メダルを取った連中の中心メンバーはみんな大学に行ったんだよね?残念だけど、和国の今年の高校生は力不足みたいだな。】
【輝かしい成績を再び出せるかどうかはともかく、恥をかかないかどうかが問題だ。聞きたいんだけど、組織委員会が枠を割り当てなかったら、和国から何人が実力でISC決勝に進めるんだろうね?[微笑]】
このような世界レベルの挑発は、誰も我慢できるものではなかった。
国内のほとんどの人は海外のサイトを見ることができないが、海外に住む和国人も少なくなかった。
海外のサイトではこの件について活発に議論され、大半は一方を持ち上げ、もう一方を貶めるものだった。
すぐに怒りを抑えられない人が発言した。
【くそっ!風当たりの強いことを言う馬鹿どもめ、俺はお前らの国の言語で罵り合うのも面倒くさい。待ってろよ、3日もしないうちに、総合ランキングのトップ3どころか、1位さえも確実に入れ替わるからな!】
しかし、このコメントはすぐに多くの嘲笑的なコメントに埋もれてしまった。