裴戸天志は常々配信というものを軽蔑していた。
彼から見れば、配信は低俗で、技術的な価値もなく、ただ人々が注目を集めるためにやっているだけだった。
これが彼が初めて配信アプリにログインする時だった。
天志はエンターキーを押し、ページが切り替わると、あるライブルームに入った。
しかし彼を失望させたのは、ライブルームには映像がなく、ただのお知らせがあるだけだった。
【あれれ、配信者さんが家を離れて15日になります。小魚ちゃんも配信者さんがどこに行ったのか分かりません[大泣き]】
下には視聴者たちのコメントがあった。
【神様はきっとまたパスワードを忘れたんだよ。最低でも週に一回は配信するって約束したのに、また私たちをほったらかしにしたね。】
【神様に何かあったんじゃないかと思うんだけど?わざわざISC公式サイトまで見に行ったけど、神様のアカウントのスコアはずっと動いてないよ。】
【いやいや、兄弟、新参者?神様に欠点なんてないよ、ただ怠け者なだけ。動くのが面倒くさいんだ。】
天志は多くのコメントを見たが、自分が求めている情報は見つからなかった。
彼は頭を振り、アプリを閉じた。
和国を離れる前に、一度でも配信を見られることを願っていた。
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ヘルヴィンが誘拐されたことを知っている人は多くなかった。
O大陸側も、この事件を徹底的に隠蔽していた。
結局のところ、この事件が明るみに出れば、大きな騒動を引き起こし、他の国際犯罪者の注目を集めることになるからだ。
IBIは世界の平和を守っているが、地球はあまりにも広大で、すべてに対応することはできない。
勝山子衿は翌日の午後、一字隊からの返信を受け取った。
【勝山さん、この数人は和国人ではありません。我々は彼らが国際犯罪者である可能性が高いと考え、すでにIBIに引き渡しました。向こうから連絡があり次第、すぐにお知らせします。】
【この事件はあまりにも悪質なので、おそらくIBIの最高執行長官も動くでしょう。】
最終的に人命は失われなかったが、もしヘルヴィンが死んでいたら、その損失は計り知れないものだったと想像できる。
最後のメッセージに、子衿の手が一瞬止まった。
彼女はゆっくりと顔を上げ、目の前に立つ男性を見つめた。「あなたのところに回ってきたの?」