326 渣男を懲らしめる、江口漠遠あなたにも資格があるの?【3更】_2

根岸朝は伊藤雲深が感情的になった時の姿を見てみたかった。さらに、この男が狂気に走り、制御を失う様子も見たかった。

彼の最近の悪趣味はこれだけだった。

数分後、相手からゆっくりと返信が来た。

【安心してる、これこそが彼女の息子だ。】

【???】

朝は頭をかきながら、十数年間付き合ってきた恋愛が全て水の泡になったような気がした。

小学生の頃から恋愛に目覚めたエリートの彼が、なぜ二十三年間の苦行僧より少年少女の心を理解できないのだろうか?

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勝山家の旧邸。

葉山素荷は報告を聞き終えた。

「江口燃?」彼女は眉をひそめ、茶碗を置くと、淡々と言った。「あの小僧のことをすっかり忘れていたわ」

素荷はずっと江口絵屏を眼中に入れていなかった。

絵屏は良い結婚をして、帝都に嫁いだ。

しかし前任の江口老夫人があまりにも秘密にしていたこと、そして燃が母親の姓を名乗っていることから、素荷は今でも絵屏の夫の姓を知らなかった。

彼女は特別に帝都の大家族や中堅家族を調査したが、絵屏の婚姻相手となる家はなかった。

これは小規模な家族であることを証明しており、江口家と同じレベルということだ。

素荷の推測では、おそらく江口家よりも格下だろう。

大家族は血統を非常に重視しているので、息子に母親の姓を名乗らせるはずがない。

しかし江口グループの古株株主たちへの配慮から、彼女はずっと絵屏に対して何もしてこなかった。

「勝山夫人、残念です」素荷は立ち上がり、コートを羽織った。「今日は人を招くことができませんでしたが、この婚約は必ず成立させます」

江口漠遠はこれまで彼女に何も求めてこなかった。彼のこの唯一の願いを、彼女は当然叶えるつもりだった。

勝山子衿はまだ法定結婚年齢に達していないが、それは和国内のことであり、他の地域では16歳で結婚できる。

彼女にはいくらでも方法がある。

鈴木曼華は素荷を見送った後、冷たい表情で言った。「江口家は本当に狂ったわ。これが本当に婚約したら、世間がどう言うか想像もつかないわ」

叔母の婚約者が、甥っ子を娶る?

外部の人間はどう思うだろうか?