330 スキャンダル暴露!死因【1更】

彼は電話をかけるたびに、こんな風に切り出した。「兄弟、独占スクープだぜ、一括で十万円だ」

「なに?高いって?冗談じゃないよ、当事者が誰か知ってるか?東京の江口さんと、この前伊藤家から追い出された万代真奈子だぞ。セレブの秘密だぜ、十万円で売るなんて安いもんだろ……」

そして、電話を終えた後、根岸朝は一気に百八十万円を稼いだ。

十八本の電話を見守っていた雲井山と雲井霧は「???」

こんなやり方があるのか?

これは感情を騙して金まで騙し取るじゃないか。

勝山子衿は何か考えるところがあるようで、軽く頷いた。「あなたには将来性があるわね」

「そりゃそうさ」朝はまた髪をかき上げ、とても誇らしげだった。「うちのじいさんに厳しく鍛えられたからな」

根岸老爺の根岸雲介に閉じ込められていた日々を思い出すと、本当に辛かった。

本を全部暗記しなければ、飯すら与えてもらえなかった。

両親は彼を哀れむどころか、むしろ横に座って一緒にひまわりの種をかじりながら見ていた。

朝はとても悲しかった。

これが彼が初めて兄を恋しく思った時だった。

もし兄が一字隊の管理に行かなければ、彼もこんなに苦しめられることはなかっただろう。

雲井山はドアが完全に施錠されていることを確認してから、振り返った。「勝山さん、本当に何もしなくていいんですか?」

雲井霧が骨を接ぎに行った時、江口漠遠が本当にひどい状態だと分かった。

彼の四肢のすべての骨の接合部が折れていた。

それでも、当時は気絶すらしていなかった。

骨を接ぐだけでも、霧は大変な労力を使った。

「ええ」子衿は淡々と言った。「結果はどうなるか、彼ら次第よ。手を出す必要はないわ、価値がない」

時に人間性は、人が想像するよりも恐ろしいものだ。

「でも二人とも気絶してるんだぜ」山は舌打ちした。「今夜結果が見られるかどうか分からないな」

「安心して」朝はエンターテイメント会社を経営している人間として、世論の道をよく知っていた。「セレブのスキャンダルは、芸能人のプライベートよりもメディアの興味を引くんだ。彼らは一晩中張り込むさ」

「情報はまず封鎖しておきましょう」子衿はしばらく考えてから言った。「ただ江口家だけ封鎖すれば十分です。他の家族には彼らが目覚めた後に知らせましょう」