337 医術を披露!勝山子衿:あなたは情商が低い【2更】

江口燃は目を閉じると、そのまま倒れてしまった。

「燃さん!」側にいた部下は驚いて手に持っていた本を落とし、すぐに前に出て江口燃を支えた。「燃さん、大丈夫ですか?」

燃は目をきつく閉じ、額から大粒の汗が噴き出し、顔色が白くなったり赤くなったりしていた。

同時に、彼の体温も変化していた。

一瞬極寒になり、次の瞬間には極熱になる。

部下が彼を支えていると、手が熱くなるのを感じ、さらに途方に暮れた。

修斗羽はすぐに前に出て、指を燃の脈に当てて確かめると、表情が一変した。「まずい、彼の內勁が暴走している。」

古武界は外部に対して閉鎖的だ。

どのように古武を修練するのか、古武界は外部に公表しない。

しかし確かなのは、誰もが古武を修練できるわけではなく、才能によるということだ。

才能がないのに無理に古武を修練すれば、死あるのみ。

そのため、一般的に古武者は古武者同士で結婚する。

そうすることで、子孫に古武の才能が生まれる可能性が高くなる。

しかし燃は例外だった。

彼の父親は非常に強力な古武者だが、江口絵屏は普通の人間だ。

燃は古武の才能が高いが、体質は両親とも古武者である人々には及ばない。

そのため時々、燃の体内の內勁が暴走することがあった。

この暴走は彼の性格にも影響し、気性が荒くなっていた。

これが彼が常に薬を飲んで內勁を抑制していた理由だ。

羽は古武を修練する才能がなく、古武者ではないが、燃の体にこのような問題があることをずっと知っていた。

彼女が青葉の19組に転校してきたのは、修斗家の事情もあるが、ついでに燃の様子を見るためでもあった。

しかし今回の燃の體内の內勁の暴走の程度は、羽の想像を超えていた。

彼女はすぐに燃がいつも飲んでいる薬を彼の口に入れたが、効果はなかった。

薬も三分の毒がある。

薬を飲みすぎると、体内に抗体ができる。

だから夢野家が燃に薬を送るたびに、一定期間ごとに新しい薬を出さなければならなかった。

燃はこの期間ほとんど回復していたのに、なぜ突然このようなことが起きたのか?

勝山子衿も近づいてきて、素早く燃の肩のツボを押さえた。

彼女は鳳眼を細め、淡々と言った。「暴走しているわ。早く治療しないと血管が破裂する。まず医務室に行きましょう、ここでは無理。」

羽は一瞬驚いた。「勝山パパ?」