江口均も一部を手に持っていて、彼は直接最後のページをめくった。
彼はずっと江口漠遠に対して何の感情も持っていなかった。好きになれないし、憎むほどでもない。
彼はビジネスの面で才能も興味もなかったので、江口のお爺様が江口グループを漠遠に残した時、彼はどうでもよかった。
東京大学は教授に良い待遇を与えており、別荘も用意されていたので、均も江口家の屋敷には戻らなかった。
しかし、彼はどうしても受け入れられなかった。江口家がこれほど長い間、よそ者に占拠されていたことを。
しかし、この二つの親族関係鑑定書はどちらも同じ結果だった。
最後の一文は白黒はっきりと書かれていた。
——当センターの鑑定により、江口均/江口絵屏と江口漠遠には血縁関係がありません。
絵屏の表情は一瞬で冷たくなり、書類を握る指先は力が入りすぎて白くなっていた。「雲深の推測は正しかったわ。彼は本当にお父さんの息子じゃない」
これは一体どういうことなのか?
江口のお爺様がどれほど混乱していたとしても、江口グループをよそ者の手に渡すはずがない。
お爺様が亡くなったのは13年前で、その時漠遠はまだ16歳だった。
江口グループの株主たちは元々絵屏に江口グループを任せるつもりだったが、お爺様の遺書に抗えなかった。
幸い、16歳の漠遠はすでに驚くべきビジネスの才能を示しており、さらにお爺様についていた数人の株主の助けもあって、江口グループは安定することができた。
その後、古い株主たちも次々と亡くなり、残ったのはわずか3人だった。
24歳の時、漠遠は正式に江口グループのCEOとなった。
今年、漠遠は29歳だ。
誰も漠遠の能力を疑ったことはなく、彼の血筋を疑ったこともなかった。
漠遠を好まない均と絵屏でさえ、漠遠が江口家の血筋ではないとは考えたこともなかった。
江口家の血筋でなければ、お爺様がなぜ江口グループを漠遠に与えたのか?
それとも、お爺様自身も知らなかったのか?
「絵屏、この件は、叔父たちに伝えなければならない」均は怒りを感じていた。「きっと葉山素荷が何か細工をしたんだ」
「行きましょう」絵屏は冷笑を押し殺して言った。「まずは会社へ」
**
江口家の問題は、勝山子衿には関係なかった。
彼女は一緒に行かず、伊藤雲深が彼女を迎えに来て家に帰った。