361 勝山子衿:それは私【1更】

雲井和月のアシスタントを務めていた時、勝山子衿はマスクをつけただけで、変装やその他の装いはしていなかった。

『青春202』の番組スタッフのところに行った時も、彼女は秦野瑜子と加藤真雨に素顔を見せただけだった。

内山PDやディレクターなどのスタッフは全く気にしておらず、彼らは雲井和月のアシスタントのことさえ忘れていた。

すべての業務は女性秘書が担当して話を進めていた。

『学びの神の制裁を受けろ!』という番組は確かに人気があったが、その熱度は芸能界のバラエティ番組には遠く及ばなかった。結局、学術系の番組を見る人はあまりにも少なかったからだ。

どれだけの人が暇な時間にわざわざ学者たちがラプラス変換について議論するのを見るだろうか?

視聴者の大部分は子衿の美貌目当てだったと言っても過言ではない。

問題を発見したのは子衿の熱狂的なファンの一人だった。

彼女は勝田子衿と伊藤雲深夫婦のSNSグループにも参加し、毎日加工した画像で生きていた。

最初この写真を見たときは単に見覚えがあると感じただけだったが、見れば見るほど何か違和感を覚えた。

そこで彼女は特別に子衿の横顔の写真を切り取り、この写真と比較した。

最終的にまつげの長さ、髪型、額、その他一連の細かな手がかりから判断して、これが子衿だと確信した。

しかし彼女がこのコメントを投稿すると、すぐに嘲笑された。

【笑わせるな、勝山神だって?私から見れば、ただのブスだよ。こういう人っているよね、マスクをつければ美人、マスクを外せば景観を損ねる。】

【調べてみたけど、この勝山神って和国三大トップ高校の一つ、青葉中学の生徒らしいよ。青葉がどれだけ裕福か言うまでもないでしょ?そんな人がアシスタントなんかするわけ?夢見すぎ。】

【もしこれがあなたたちの言う勝山神なら、私は首をへし折ってあげるよ。】

正面からの比較がなければ、確かに他人を説得するのは難しい。

小さなファンはとても腹を立てた。

カタカタとスマホで文章を打ち、二つのDMを送信した。

【おじいちゃん、これ私たちの勝山神でしょ?】

【あの人たちが勝山神は葉山希子ほど美しくないなんて言ってるの、死ぬほど腹が立つ!】

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鈴木のご老人がこの二つのDMを受け取ったとき、ちょうど帝都空港から出て車に乗ったところだった。