人気にあやかるのは当然だ。
記者やパパラッチたちにも仕事がある。この機会に頑張って、ボーナスをもらおうというわけだ。
何人かの記者は、田中梨花が特別に呼んだものだった。
彼女は自分が見たあのアシスタントが、絶対に勝山子衿ではないと確信していたからだ。
梨花だけでなく、『学びの神の制裁を受けろ!』という番組を見たネットユーザーたちも、子衿が雲井和月のアシスタントになるなんて信じていなかった。
今は朝の7時で、ネットを見ている人はそれほど多くなく、生放送を見ている人もほとんどいなかった。
しかしそれはあまり問題ではない。後でこれらの記者やパパラッチたちが生放送の映像を編集して、動画にしてネットにアップロードするだろう。
この記者はただ質問しただけで、否定的な回答を得ることを予想していた。
学びの神が芸能界に興味を持つだろうか?
おそらく雲井和月が誰なのかさえ知らないだろう。
子衿は少し後ろに下がり、マフラーを下げてから、両手をポケットに入れ直した。
少女の顔がカメラの前に完全に露わになった。
ここで待ち構えていた記者やパパラッチたちは皆、芸能界で長い間働いており、様々な美人を見てきた。
しかし彼らは確かに子衿のような人を間近で見たことがなかった。
加藤真雨のような映画スクリーン向きの顔とは違い、これは本当に360度死角なしの美しさだった。
カメラで拡大されると、その美しさは心を揺さぶるほどで、ほとんど人が耐えられないほどだった。
「うん、私だよ」子衿は目を上げ、カメラを直視しながら、平静な口調で言った。「家が貧乏だから、バイトでお金を稼いでる。いけない?」
この答えに、準備していた記者やパパラッチたちは少し呆然としてしまった。
「すみません、どいてください」子衿は答えた後、もう留まるつもりはなかった。「ありがとう」
記者やパパラッチたちは呆然と道を開け、言葉を忘れていた。
しばらくして、彼らはようやく我に返り、カメラを担いでまた歩き出した。
佐々木明は遠くにいたため、聞こえなかった。
彼は子衿が何かを言ったのを見ただけで、それらの記者やパパラッチが雷に打たれたかのようになっていた。
明は非常に好奇心をそそられた。「彼らどうしたの?」
「バカたち」子衿はあくびをしながら言った。「気にしなくていいよ」
明は「……」