367 お兄ちゃんの胸に隠れる?夭夭が嫉妬【2更】

「佐々木教授、こんにちは」内山教授が前に出て、佐々木明に挨拶した。「あなたも来たんですね」

「うわっ」今度は佐々木明が驚く番だった。彼は一歩後ずさりした。「あなたたちまだいたんですか?」

彼はすぐに実験室の中を見渡し、内山教授一人だけだと分かって安心した。

他の人材争奪に必死な教授たちがいなければ、彼は怖くなかった。

内山教授はとても気まずそうだった。

彼らコンピュータ学科の人材争奪の手法のせいで、他の学部からは避けられていたのだ。

内山教授は数回咳をして、勝山月咲に紹介した。「月咲、こちらは佐々木明佐々木教授です。物理学科で最も若い教授で、海外で5年間研鑽を積んで帰国されました。国際物理センターの予備選抜人材でもあり、とても優秀な方です」

月咲は前に出て、とても礼儀正しく言った。「はじめまして、佐々木教授」

「ああ、ああ」佐々木明は月咲にほとんど関心を示さなかった。彼は勝山子衿と一緒に実験をする予定だった。

内山教授は佐々木明の視線の先を見て、驚いた。「あれ、佐々木教授、これがあなたの学科の最年少准教授ですか?」

教授たちの間ではこの情報が知られていたが、学生たちはまだ知らなかった。

彼も初めて会った。

しかし、これはあまりにも...若すぎるのではないか?

内山教授は心の中で驚嘆した。

佐々木明は警戒した。「何をするつもりですか?」

「いえいえ、佐々木教授、誤解です。そんなつもりはありません」内山教授はこっそり汗を拭き、歩み寄って再び紹介した。「月咲、こちらは勝山教授です」

月咲は答えなかった。

彼女の視線は子衿の服の左上隅にあるIDカードの文字に釘付けになっていた。

名前:勝山子衿

役職:准教授

学部:物理学科

三行の文字、一行一行が月咲の心を刺し貫いた。

彼女は「准教授」という三文字を見つめ、頭の回転が止まった。

そんな時、内山教授がさらに感心したように言った。「それにしても不思議ですね。あなたと勝山教授は同じ苗字で、もしかしたら500年前は同じ家系だったかもしれませんね」

このなんでもない一言が、月咲の頭を爆発させた。

なんて笑えることだろう。

勝山という苗字さえ、彼女が盗んだものだった。

同じ家系?

「月咲?」内山教授は月咲が長い間反応しないことに気づき、彼女を見た。