「正直に言って、この件は希子とは関係ありません。ファンが過激になりすぎただけです。反省し、謝罪します。」
ファンを宥めて、葉山希子はやや心が軽くなった。
しかし、彼女がほっとする間もなく、あるホットワードが上位に押し上げられた。
#初光メディア、スポンサー様#
【@初光メディアV:スポンサー様が追加で4億円の投資を決定しました@青春202V】
【@青春202V:ありがとうございます、パパ!ありがとうございます!】
この二つの投稿の下で、ネットユーザーたちは嘲笑モードに入った。
【笑えるわ、スポンサー様が番組に勝山子衿がいないのを見て、追加投資を決めたんでしょ?】
【葉山希子のあの謝罪文、字が犬の足跡みたいね。彼女は帝都映画学院卒じゃなかった?教養がこんなに低いの?】
【初光メディアはますます豪華になってきたね。執行役員が変わったって聞いたけど、誰なんだろう?】
誰かがネットで調べてみたが、初光メディアの法定代表者の欄の名前は伏せ字になっていた。
残りの株主などについては、以前と何も変わっていなかった。
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ISC訓練キャンプの教室内。
勝山子衿は初光メディアのウェイボーアカウントからログアウトした後、普段使っている小さなアカウントに切り替えた。
今回は彼女もネットユーザーの鋭い目を甘く見ることはなく、いいねだけして画像は投稿しなかったので、このサブアカウントは特定されずに済んだ。
そのとき、佐々木明が書類の束を抱えてやってきて、探りを入れるように尋ねた。「勝山さん、明日は時間ありますか?」
子衿は顔を上げて彼を見た。
「いや、いや、大したことじゃないんです」佐々木は彼女の視線に怯えた様子で言った。「帝都大学が新しい実験室を建設したので、見に来てほしいと招待されているんです」
「明日は——」子衿はカレンダーをめくった。「空いてます、大丈夫です」
佐々木は頷いたが、突然何かを思い出したかのように真剣な表情になった。「勝山さん、コンピュータ学科の人たちに会ったら必ず逃げてください」
子衿は頷いた。「え?どうしたんですか?」
「あの狂人たちは人材争奪が激しいんです。あなたが彼らに引き裂かれるのが心配で」
「……」
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一方、別の場所。
風水連盟。
今日は勝村天律と聞人大師との約束の日だった。