371 打脸,勝山子衿:私がやる 【1更】_2

しかし彼らは空気を読むことができ、勝山子衿が初光メディアのオーナーであることを暴露しようとはしなかった。

内山PDも安堵していた。彼の決断は正しかった。初光メディアにしっかりと取り入ったのだ。

「うん、それでは決まりね」子衿は言った。「その時はSNSで告知するのを忘れないでね」

「必ず必ず」内山PDは急いで頷いた。「明日の午後には投稿します。明後日から収録開始ですが、間に合いますか?」

本来ならパフォーマンスは生放送のはずだったが、年末が近いため、放送方法を変更せざるを得なかった。

しかしその時には、会場には多くのファンが集まるだろう。

子衿は淡々と答えた。「夜なら、特に問題ないでしょう」

「それは良かった、良かった」内山PDは熱心に少女を見送った。「すぐに後編集の方と連絡を取ります」

子衿は外に出ると、携帯を取り出して雲井和月にメッセージを送った。

【[くるくる]】

【雪音お兄さんにお願いするつもりだけど、和月お姉さんも来てくれたらもっといいな。お姉さん、お金もらえる?】

子衿は少し眉を上げた。

喻川雪声の容姿と雰囲気だけでも、確かに芸能界を震撼させるだろう。

しかし、これは集団催眠のパフォーマンスをするつもりなのだろうか?

そのとき、彼女の頭上から笑いを含んだ声が聞こえてきた。

「勝山さん、どうやら私は無駄足だったようですね」

子衿は携帯の電源を切り、顔を上げた。

若い男性が白い上着を着ていて、清潔な日光を思わせた。

「私が勝山さんに恩を一つ借りたということで」雪声はまた微笑んだ。「今後勝山さんがNOKで懸賞を出したら、無料でお手伝いしますよ」

子衿は頷いた。「気にしないで、私はお金を稼いでるだけだから」

「お金を稼ぐ?」雪声は少し驚いた。「昀深はあなたにお小遣いすら渡さないのですか?」

子衿は彼を一瞥した。「あなたはお金を稼ぐ楽しさを知らないのね」

雪声は少し笑った。

子衿は彼に別れを告げた。「他に用事があるから、先に行くね」

雪声も特に何も言わなかった。「勝山さん、またお会いしましょう」

彼が振り返り、一歩も歩かないうちに、子衿を追いかけてきた秦野瑜子とぶつかってしまった。

催眠術師の体は一般的に弱いものだが、雪声はそうではなかった。