第133章 恋が戻ってきたと聞いた(2)

本棚には基本的に女性が読むような恋愛小説や、ファッションや美容に関する雑誌はなかった。この女性は普段あまり余暇を楽しむ生活をしていないようだ。仕事か勉強以外のことはしていないのだろう!充実しているが単調な生活を送っているようだ。

斎藤遥は手近にあった『心理月刊』を手に取り、ベッドに腰掛けて読もうとしたが、佐藤若菜が開けた衣装ケースの中に、二組の写真が置かれているのが目に入った。写真の中の爽やかな表情の男性が、彼の注意を完全に引きつけた。

写真の背景から判断すると、華山で撮られたものだろう!

写真には合計三人が写っていた。若菜と飛雨が前に立ち、その爽やかな表情の男性が彼女たちの後ろに立って、両手をそれぞれ彼女たちの肩に置き、頭は親しげに若菜の頭に寄せていた。自然で息の合った様子が伝わってくる——この男性が、高橋尚誠なのだろう!

写真の中の若菜は、目が澄んでいて深く、心から笑っていた。若々しい顔には純粋さと幸せが満ちあふれていた!

写真の中の尚誠は、明るく清潔感があった。視線を交わしていない二人だが、この三人の写真の中でも、彼と若菜の間の息の合い方が見て取れた。これが恋人同士の似通った雰囲気や感覚というものなのだろうか?

遥は額縁を手に取り、写真の中の若い頃の若菜を指で優しく撫でた。あの頃と比べると、今の若菜は確かに多くの苦労を重ねてきたように見える。変わったのは容姿ではなく、目の輝きや表情だった!

そして自分を見てみれば、若い頃でさえ、尚誠のような純粋さや明るさは持ち合わせていなかった!

「遥、こっちに来て。髪を乾かしてあげるわ!」若菜はパジャマ姿でドライヤーを持って部屋に入ってきて、ドアを閉めた。振り向いて遥が額縁を手にしているのを見ると、表情が変わった。「あなた?誰が勝手に私の物に触っていいって言ったの!」

「若菜、今のあなたは若い頃よりずっと美しくなったね!あの頃は青臭い醜いアヒルの子みたいだった!田中がいつもあなたを醜い女の子と呼んでいたのも無理はないね!」遥は感情を抑え、魅力的でありながらも無造作な笑顔を浮かべ、額縁の中の若菜を指さして、からかうような表情を見せた。

若菜の緊張した表情はゆっくりと和らぎ、遥をじっと見つめた後、机に歩み寄ってドライヤーのプラグを差し込み、彼に静かに言った。「こっちに来て」