しかし、斎藤延彦と田中佳子の件はやはりはっきりさせておく必要がある。離婚後もまだ頻繁に会っているなら、理由が何であれ、とにかく良くないことだ!
「今は仕事する気分じゃないな、延彦はどうしたんだろう…」斎藤遥は立ち上がり、佐藤若菜を腕の中に抱き寄せた。彼の目には欲望と熱情がはっきりと現れていた。
「ちょっと、何してるの?仕事する気がないなら、ちゃんと私の話を聞きなさいよ!」若菜は慌てて彼の油断した口元を遮り、眉をひそめた。
「じゃあ、先に別のことをして、あとで話そう…」
「あなた、頭の中が欲望でいっぱいなの?私の胃はまだ良くなってないのよ!」若菜は恥ずかしさと怒りを感じながら、両手で彼の手をしっかりと押さえ、動かせないようにした。
「若菜、もしかしてそれを言い訳にして僕から逃げてるんじゃないの?」遥は欲求不満の表情を浮かべ、彼女に押さえられた手でもなお、しつこく動こうとしていた。
「んっ…遥、やめて。止めないと怒るわよ!」若菜の顔は真っ赤に染まり、このまま彼に続けさせたら、後でどうあっても止められなくなることを知っていた!
「話があるの。延彦と田中佳子はいったいどうなってるの?離婚したのに、まだ頻繁に会ってるの?」若菜は我慢しながら、急いで言葉を言い終えた!
「妻よ、延彦のことはあとで話そうよ」遥は息を荒げながら言った。
「遥、あっ—あなた?もう二日だけ我慢してくれない?この数日、あなたが持ってきてくれたスープを飲んで、胃がずいぶん楽になったの。明日は豚足と黄豆のスープが飲みたいな、いい?」若菜は体の反応を我慢しながら言った。
一番嫌いなスープまで飲みたいと言うなんて、胃が良くなっていないのは明らかだ!
遥は彼女の首筋に顔を埋め、深く息を吸い込んでから、小さな声で答えた。「本当に具合が悪いんだね?わかった、明日の昼に持っていくよ」
しばらくして、ゆっくりと彼女の服を整え、唇に軽くキスをすると、拗ねたように言った。「今度こそ、君の胃を完全に治さないとね!」
「わかったわ!」若菜は軽く返事をした。こんな時は、何も言わない方がいい。
一騒動あって、遥も仕事をする気にはなれなかった。明日使うデータと資料を軽く確認し、明日必要な資金について電話で確認した後、さっと風呂に入り、ベッドに潜り込んだ。