「そういえば、テレビ番組に出ていた学生たちが明日東京に到着するわね。あなたが選んだ三人の候補者は、どう手配するつもり?」若菜は突然このことを思い出した。
「まずは彼らの店舗訪問レポートを見て、それから人格テストを行い、各人の特性に応じて実習トレーニングコースを手配するつもりだ。メンター制を採用する予定だ」遥は遠慮なく彼女に計画を話した。
「うん、私たちもほぼ同じよ。でも一つ考えがあるの。人格テストが終わった後、私たち二つの企業で新人交流会を開いて、みんなが互いにコミュニケーションを取れるオープンな場を設けるのはどう?適切なタイミングで、この人材たちは互いに流動できるわ。もちろん、この十人に限ってだけど。どう思う?」若菜は自分の考えを遥に提案した。
「それはいい考えだね。これは斎藤氏に人材を送り込む遠回しな方法かな?」遥は理解したように笑った。
「そういうわけじゃないわ。テレビ局では、一人一人を全力で争わなければならない。これは企業の魅力と評判の問題だから。でも実際には、人格テストが終わった後、全員が適しているわけではないの。でもこんな優秀な学生たちが流出するのはもったいない。企業間の交流プラットフォームは、ウィンウィンの方法よ」若菜は彼の上に覆いかぶさるように寝返りを打ち、優しく言った。彼女が彼に譲っていると思われたくなかった。
「うん、琴乃に君と連絡を取らせよう。企業間の交流プラットフォームを構築するなら、遠慮はしない。新人研修のいくつかのモジュールを琴乃に説明してくれないか。幸い、私たちの製品スタイルと顧客層は全く異なり、補完的な傾向にある。人材面での交流は、確かにメリットの方が大きいだろう」遥は彼女の意図を理解していた。しかし、この点については、彼女を打ち負かそうとする小さな心や、男性の意地で女性の助けを受け入れたくないという態度はなかった。
企業にとって有益なことであり、彼女を困らせるようなことでなければ、彼女の助けを借りることに抵抗はなかった。
「いいわよ。明日会社に行くつもりだし、昼には飛雨と一緒に晴音を見に行きたいと思ってるの。琴乃に明後日以降いつでも会社に来てもらって、私が会社でスケジュールを調整するわ」若菜はうなずいた。