第369章 蛇を誘い出す(3)

「誰がそんなこと言ったんだ。君の家の三男坊たちがここ数年で大活躍していると聞いているぞ！君より優れていると思うよ。バイオ医薬品にまで手を広げているじゃないか。これは国家レベルでも貢献だよ！」木村課長は斎藤蓮の手を握りながら笑顔で言った。後ほど佐藤市長との会話の重点を暗示していた。

「そうなんですよ。彼には度胸があります。ただ、これが、人気者は妬まれるというやつで...何度も言ったんですよ。斎藤氏の服飾ビジネスをしっかり守っていけばいいと。なのに彼は、バイオ医薬品分野は国の医療の空白地帯だ、多くのがん患者に生存の機会を与えられると言い張って。ここ数年、お金は入れるばかりで出てこない。こんなビジネスのやり方があるかと！はぁ、若者は血の気が多くて、言うことを聞かないんですよ」斎藤蓮は意を汲んで溜息をつき、話題をバイオ医薬品に向けた。佐藤市長と木村課長を座らせた。

「誰が血の気が多いなんて言うんだ？若者はそういう情熱を持つべきだよ。私はとても良いと思う！」佐藤市長は微笑み、隣に座っている佐藤若菜を一瞥して斎藤蓮に言った。「こちらが三男の奥さんかね？」

斎藤蓮は佐藤市長が自ら若菜のことを持ち出したのを見て、この老山本が自分の顔を立ててくれて、この件で助けてくれる気があるのだと悟った。

そこで頭を振りながら溜息をついて言った。「三男のあの件は、本当は関わりたくなかったんです！彼に少し苦労させて、今後は控えめにするよう教えようと思っていたので、ずっとあなたたち古い友人を頼ることもしなかった。でも、この嫁が苦労しているのを見ると心が痛む！ご覧なさい、この綺麗な顔が、こんな風に引っ掻かれて！」

「若菜、早く佐藤おじさんに挨拶しなさい。こちらは木村おじさんだよ」

「佐藤おじさん、こんにちは。木村おじさん、こんにちは」若菜は立ち上がり、素直に挨拶した。

佐藤市長は彼女を見て頷き、座るよう合図した。「前から聞いていたよ、三男が女性実業家を嫁にしたと。この前、テレビでも見かけたよ！三男と真っ向から対立して、一歩も譲らなかったじゃないか！家でもそうなのかい？」佐藤市長は満面の笑みで彼女を見た。

「佐藤おじさん、冗談を。家では彼が主導権を握っていますよ。実は彼、かなりの男尊女卑なんです」若菜は静かに答えた。