第387章 壊れてないよね(4)

見たところ、あとは底値を探るための美しいローソク足が形成されるのを待つだけで、このゲームは完全に終わるはずだった！だが、そんな時に、この程咬金のような人物が現れるとは！

「この時点で、我々の計画を邪魔する者は絶対に許さない！」山田隼真は目に宿る殺気をもはや隠そうともせず、斉藤空也をじっと見つめ、冷酷に言った。

空也は軽く笑い、同じく冷酷に言った。「私もそう思います」

「現場の手配をしておいてくれ。私は運転ルートの地図を作成してくる」空也は淡々と言った。

「今夜中に持ってこい。他の行動は変更なしだ。引き続きニュースをネットに流せ。操作に関しては私が管理する」隼真はタバコの吸い殻を角の屑籠に弾き飛ばし、振り返って画面上のベルと高橋尚誠の写真を見つめた。その目は冷たさに満ちていた。

斎藤氏のオフィスビル。

9時30分、横ばいで取引開始。10時00分、資金が段階的に引き出される。10時30分、1.5ポイント下落。11時00分、鈴木瑛子は手持ちの資金を使って、引き出された株式の3分の1を買い戻す。11時30分、1ポイント回復。全体として朝の取引開始時点から0.5ポイントの下落にとどまる。

「持ちこたえた！」瑛子は興奮して立ち上がり、いつものように振り返って両手を上げ、斎藤遥とハイタッチしようとしたが、彼の穏やかな笑顔を見た瞬間、動きを止めた。

「渡辺さん、お祝いしましょう！」瑛子は渡辺新一の方を向き、上げていた右手で彼と軽く3回タッチした。

「お疲れ様。午後も相場を注視し続けてください」遥は微笑みながら二人の肩を軽くたたき、証券部を後にした。

「瑛子さん、よくやったね」二人が遥の去っていく背中を見つめる中、新一は二重の意味を込めて言った。

「わかってるわ！」瑛子は顎を軽く上げ、笑いながら答えた。

しかし彼女は知らなかった。誰かが彼女の一挙手一投足を常に監視していること、そして遥の彼女に対する態度も監視されていることを。

先ほど彼女が振り返って手を上げ、遥を見つめた喜びに満ちた笑顔と、遥の穏やかで上品な表情が、巧みな角度から盗撮されていたのだ。

彼女は正しい選択をしたが、それは必ずしも前途が平坦であることを意味するわけではなかった！