第149章 冷川峰が林悠を連れ去った

「終わったわ、とりあえず命に別状はないわ」

冷川峰は後ろのオフィスを指さした。「医者はあそこにいるから、聞きたいことがあれば聞いてきなさい」

しかし冷川宴は振り向いて歩き出した。「先に林悠を見てくる。彼女はどの病室にいる?」

林悠があれほど多くの血を流したことを思うと、彼の心臓はドキドキした。今は彼女が本当に大丈夫なのかを確認するためにひと目見たかった。

冷川峰は彼をつかんだ。「彼女はまだICUにいて、面会できないんだ。何か知りたいことがあれば医者に聞きなさい」

冷川宴は何かがおかしいと感じた。

「行きなさい」冷川峰はドアをノックし、冷川宴を中に押し込んだ。

冷川宴は疑わしげな表情をしながらも、まずは状況を確認することにした。「こんにちは先生、さっき救急処置を受けた患者さんはどうですか?危険は脱しましたか?」