第184章 冷川宴、あなたは林悠を愛してしまったのね

冷川宴は身の上のことを林深に話すべきかどうか迷っていた。

「宴、前回の結婚式のことだが」林深はため息をつき、先に口を開いた。「叔父さんから謝らせてほしい。」

冷川宴は眉をひそめた。「あの時、林当主はなぜ林悠を入れたのですか？」

「私も一時の迷いだったんだろう。」林深は黄田珠美のことには触れたくなかった。故人は既に去り、彼は他人に愛する妻について余計な憶測をされたくなかった。

彼は真剣な表情で冷川宴を見つめた。「宴、結婚式は冷川家はいつ再開する予定だ？」

「林当主は私がなぜあの時林悠と一緒に行ったのか聞かないのですか？」冷川宴は問い返した。

「重要かい？」林深は本当に気にしていないかのようだった。「人は誰でも迷うことがある。君がまだ美芝と結婚する意思があるかどうかが大事なんだ。」

冷川宴は黙り込んだ。

身の上の謎を知った後、なぜか林美芝と結婚することに対して少し揺らいでいた。

彼はうっすらと気づいていた、知るべきことがまだたくさんあるようだと。

以前、冷川宴はただ、かつて林美芝が兄弟を救ってくれたと思い込んでいた。だから、林美芝がどんな人であれ、人殺しや放火をしていない限り、彼は受け入れることができた。

結局のところ、彼は彼女に妻という身分を与えるだけで、彼女を愛したことはなかった。

しかし林悠があの時のことは林美芝の行為ではないかもしれないと言った時、すべてが違って見えてきた。

「宴」林深は彼が答えないのを見て、すぐに焦りを見せた。「美芝の状態は君も見ただろう。今は退院できるようになったが、医者も言っていた、もし彼女がまた刺激を受けたら、自殺を図るかもしれない。そうなったら手遅れだ。」

「林当主、あなたの気持ちはわかります。結婚のことは、彼女とゆっくり相談します。」

林深の言う通り、林美芝は刺激に耐えられない。もし冷川宴が今林深に状況を説明したら、それは林美芝の命を奪うようなものかもしれない。

彼はまず林美芝に話してみようと思った。

林深は林家の当主だが、冷川宴の前では依然として強い圧迫感を感じていた。

そして結婚は確かに二人の問題だ。もし林美芝が何度も彼に頼まなければ、彼は冷川宴を強制しようとはしなかっただろう。