第201章 彼女は罪を恐れて自殺するような人なのか

林美芝はグラスを持ち上げ、唇に当てたが、飲み干さなかった。

彼女の黒い瞳は冷たく、藤堂淑美が酒を飲み干すのを無表情で見つめていた。

藤堂淑美は明らかに喜んでいた。お金を手に入れて海外で気ままに暮らせることに興奮していた。「美芝、安心して。ママが海外で落ち着いたら、会いに来なさい」

「はい」林美芝はグラスを置き、微笑んだ。

「どうして飲まないの?」藤堂淑美は林美芝のグラスがまだ満杯なのに気づいた。

「何でもないわ」林美芝は首を振った。「ママ、実は本当に感謝してるの。もし全てが順調にいけば、本当にママの老後の面倒を見て、幸せに暮らしてもらうつもりだったの」

藤堂淑美は眉をひそめた。林美芝が突然こんなことを言い出したのは、何か変だと感じた。

林美芝の表情が変わり、目に憎しみが浮かんだ。「でも、思い通りにはいかないものね。林悠たちがずっと邪魔をして、何度も私たちを追い詰めてきた」