第352章 生きていれば人を見、死んでいれば遺体を見る

「宴、誰も君を騙してなんかいないよ。ファイルの中身を見てごらん、これが嘘かどうかわかるから」

冷川峰はそう言うと窓際に歩み寄り、彼の肩がピクピクと震え始めた。明らかに小声で泣いていた。

冷川宴は顔を上げて深田確を見つめ、彼の顔に何か綻びを見つけようとした。

しかし、深田確はただ静かに彼を見つめ、ファイルを差し出す手が微かに震えていた。

「どんな芝居を打つのか見てやろう」冷川宴はついにファイルを受け取ったが、自分の顔色が紙のように真っ白になっていることには気づいていなかった。

ファイルは彼の膝の上にしばらく置かれたままだった。やがて彼は笑って言った。「きっと偽物だ、作り話に決まってる」

そして、彼はファイルを開いた。

中には分厚い記録があり、各ページには患者・林悠の状態が詳細に記録されていた。

11月23日、林悠との初回面談の後、彼女が重度のうつ病を患っていることは間違いない。お腹の子供が彼女に生きる理由をもう少し与えてくれることを願う。

12月5日、林悠のうつ病の原因は幼少期の経験だとわかった。彼女は人命救助をしたことで一生自己疑念に苦しんできた。それでも彼女がこれほど優しさを持ち続ける勇気に敬服する。全力で彼女を助けなければ。

12月17日、林悠は無意識に自傷行為を始めた。彼女の腕の血まみれの傷を見て、本当に心が痛む。どうすれば彼女を助けられるのだろうか？

12月25日、林悠の初めての自殺未遂。恐ろしい。子供の存在ももはや彼女に生き続ける理由を与えられなくなっている。彼女はまるで孤島に一人取り残されたようだ。私はその孤島に到達し、彼女を安全に連れ出したい。

12月28日、わずか三日で林悠は二度目の自殺未遂。私に何ができるだろうか？

冷川宴は一ページずつめくりながら、まるで映画を見るように林悠の過去の人生を見ていった。記録には多くの写真さえあり、これらが偽造されたものではないことを彼ははっきりと理解した。

「彼女は実はとても小さい頃からうつ病を患っていた。あの時、君と冷川峰を救った後、誰も彼女に感謝せず、彼女は体を壊し、いわゆる両親からは罵倒され、責められた」深田確は頭を下げ、しばらくしてからようやく再び口を開いた。「彼女がこれほど長い年月をどうやって成長してきたのか、私には分からない」