第388章 あなたもこの家から消えたいの

予安は小さなウサギの折り紙を冷川宴に渡し、心の中でバカなパパが直せないことを密かに願っていた。

実際、冷川宴は一目見ただけで、小さなウサギは二箇所だけ破れていて、テープで貼れば確実に問題ないとわかった。

彼は自信満々に息子を見て、「安心して、パパが必ず直してあげるよ」と言った。

小さな子はまばたきをした：バカなパパ、実は直さなくていいんだ、予安は新しいのが欲しいだけなのに。

冷川宴は息子と一緒に床に座り、透明テープを取り出して、破れた部分を慎重に貼り、手柄顔で持ち上げて「どう？小ウサギ、生き返ったでしょ？」

予安は不満そうに首を振った。

「まだダメ？」冷川宴はもう一度注意深く確認し、できるだけ元通りに修復して、再び持ち上げた。「今度はいい？」

結果、予安はまだ不満そうに首を振った。

冷川宴は困惑して眉をひそめた。「予安、この二箇所はもう破れてしまったから、元通りにはできないんだよ…」

バカなパパ！

予安は心の中でつぶやき、そして冷川宴が直したウサギを手に取り、率直に言った。「予寧にもう一度折ってもらいたいの。破れていないウサギが欲しいの」

「この子ったら…」冷川宴は苦笑した。「わかった、パパが約束するよ。予寧に新しいのを折ってもらって、君にあげるようにするよ」

「ありがとう、パパ」瞬時に、予安の顔から暗雲が晴れ、少しの不満も消えた。

冷川宴は諦めた表情で時計を見ると、自分が上の階に2時間近くいたことに気づいた。彼は立ち上がり、「じゃあ、自分で遊んでいてね。僕は岡田先生を送って行くから。今夜はおばあちゃんの家に泊まるよ、いい？」

予安は答えず、自分のものをいじりながら、明らかに自分の世界に入っていた。

冷川宴は一瞬呆然とした。さっきの生き生きとしたわがままな子供が夢のようだった。彼は本当に予安が楽しく成長してくれることを願っていた。

彼はすぐに階下に降りたが、岡田詩織がすでに帰ったことに気づいた。

「いつ帰ったの？」冷川宴は少し困った様子で尋ねた。「なぜ僕を呼びに来なかったの？」

明らかに、彼と岡田詩織はとても疎遠な関係で、相手に少しの負い目も感じたくなかった。