カメラとサウンドカードを全て準備し終えると、夏瑜は蘇枚たちに手を振った。「行って行って、自分のベッドに戻りなさい」
「はいよ、私はあなたの配信ルームの最初の視聴者になるわ」
ルームメイトたちは自分のベッドに戻り、夏瑜の配信ルームのIDを見つけた。そのため、夏瑜が配信を始める前に、自分を含めて4つのサブスクリプションを受け取っていた。
「配信始めるよ」夏瑜はマウスを持って配信開始ボタンを押そうとしたが、心の中ではまだ少し緊張していた。
「始めろ始めろ、夏瑜、お前は次の配信界のトップだ!俺はトップの部屋の仲間だぞ」
「じゃあ俺はトップの上の段ベッドだな」
みんなの冗談で夏瑜の緊張はだいぶ和らいだ。
「みなさん、こんにちは。配信者の小魚ちゃんです」
夏瑜がネットで配信のコツを検索したとき、他の人のリストには防音カーテンも含まれていた。学業優秀な楊臨の勉強の邪魔をしないように、夏瑜もカーテンを買った。防音効果はなかなか良かった。
【わぁ、配信者の声すごく良い!】
【配信者は世界一イケメン!】
【配信者大好き!】
【いけるわ】
夏瑜が話し終わる前に、コメント欄はすでに賑わっていた。夏瑜はバックエンドの視聴者数を無言で見つめた。実際の視聴者は全員この寮の中にいた。
ゲーム配信なので、夏瑜は顔を出すのが面倒だった。しかしプラットフォームによると、カメラをオンにすると人気が上がるとのことだったので、夏瑜はカメラを自分の手に向け、配信画面をスマホゲームに映した。
夏瑜のアカウントはあまりプレイしておらず、現在は星耀ランクにとどまっていた。
幼い頃からあらゆるゲームをプレイしてきた夏瑜は、王者栄耀というゲームをすぐに習得した。彼は高い爆発力と高いダメージを持つヒーローが好きで、アサシンを選んだ。
10分後、戦績は12-0-5。夏瑜が顔を上げて見ると、配信ルームのバックエンド視聴者数は5人だった。
つまり、実際の視聴者は2人だけで、それも本物かどうかわからなかった。
「なんでこんなに人気ないんだ?」夏瑜は防音カーテンを開け、頭を出して張哲に尋ねた。張哲は普段から配信をよく見ていて、詳しかった。