第90章 （3更）姫が甘えると君少は耐えられない

【うわっ？本人が出てきた？】

【わぁ、萱萱は本当に君少と恋愛してるの！！！すごい！！幸せになって！！】

【芝居が多すぎじゃない？本当なの嘘なの？君時陵があなたを気に入るわけ？】

【前の人、君少が私たちの萱萱を気に入らないなら、あなたを気に入るとでも？鏡見て自分の顔がどんなものか確認したら？】

野次馬が来て、林萱のアルバムを開いてしばらく見ていたが、こんなに美しい女性の顔を覚えていないことに気づいた。

まるで流れ作業で作られた顔のようだ。本当に特徴がなく、野次馬は何気なくコメントを書いた。「林萱がそんなに美人だとは思わない。夏挽沅という人の方が林萱よりずっと美しいと思う。君少の目は節穴だな」

これで、林萱が好きな人も嫌いな人も、一致団結してこの野次馬のコメントを叩き、それが人気コメントになった。

【ハハハハ、笑える。夏挽沅の名前と君時陵を一緒に並べるだけで君少への侮辱だと思わない？】

【確かに林萱と君時陵の間には十万八千里の差があると思うけど、夏挽沅と君時陵の間には、十万個の十万八千里の差があるよね？】

【冗談言わないで。君時陵と夏挽沅が一緒になれる？？君時陵が夏挽沅をまともに一目見るようなことがあったら、私は生配信で自分のスマホを食べるわ】

【夏挽沅なんてゴミ、萱萱と比べられる？】

林萱はチームの指示でこのWeiboを投稿したが、この投稿のせいで、みんなが彼女と君時陵をカップルだと思い込んでいることに気づいた。

ネット上の噂とほぼ同じで、萱は芸能界に入ってから、ずっと非常に優秀な社交家だった。

彼女は帝都の富豪サークルをよく知っていたが、中核的な富豪層に入る機会はなく、少し触れる程度だった。

思いがけず今回、君時陵と結びつけられ、萱は目を輝かせた。この機会に乗じて、君時陵に自分の印象を残せるかもしれない。

そうすれば、君時陵に迷惑をかけたことを謝る口実で、実際に君時陵に会えるかもしれない。

コメント欄でファンたちが「君夫人」と呼ぶのを見て、萱は心が浮き立った。

ネット上で盛んに議論されている一方、君時陵のオフィスにいる二人は、まったく影響を受けていなかった。

挽沅はさっき四川料理店の前を通り、庄園の食事は淡白なので、レストランの入り口にある宣伝写真がおいしそうに見えたため、運転手に買いに行かせた。